国家資格の試験は「田舎芝居」。
昔からそういわれています。
手を変え品を変え、同じテーマ、同じような物語で人気を博する「田舎芝居」。
余程のことが無い限り、「過去問」のレベルの難しさで、「過去問」の頻出出題分野から、「過去問」に似たような問題が出題されます。
そこで、私は、担当した「生涯学習講座・宅建士試験合格講座(入門編)」では、「過去問」を教材にしました。
講座では、「制度」について説明をし、それを支える「制度趣旨」を説明し、さらに「制度趣旨」の背景にある「原理原則」まで説明します。
なぜ、そうしたと思われますか?
「生涯学習講座」では、受講生は若い学生ではありません。
リタイヤしたシニア層です。
様々な社会経験が記憶された脳の保持者です。
若い学生の場合には、どんどん記憶できます。
フレッシュで、メモリー容量に空きが十分あるからです。
どんどん記憶できて、易々と引き出して、解答までできます。
ところが、シニア層の場合には、多くの記憶情報が邪魔をして、記憶に時間がかかったり、引き出すことにも時間がかかります。
よく、「歳のせいで…」なんて言われますが、私はそうではないと思っています。
「歳のせいで、記憶力が落ちた」のではなく、多くの記憶情報があるために、記憶と再現に工夫しないと、記憶や再現が難しいということだと思います。
・記憶する場合にも、整理整頓して記憶する。
・引き出す場合にも、整理整頓した手順によって徐々に引き出す。
そんな工夫で、十分記憶し、再現することはできます。
特に法律は、よく出来た法律の場合には、精緻な論理体系に沿っています。
「原理原則」「制度趣旨」がしっかり背景にあります。
私は、シニア層には、(1)「原理原則」「制度趣旨」で整理整頓して記憶すること、(2)「原理原則」「制度趣旨」で整理整頓して思い出すこと、をお勧めします。
「原理原則」「制度趣旨」を理解しながら学習することは、省エネで、記憶。
「原理原則」「制度趣旨」を理解しながら学習することは、省エネで、省エネで、再現。
…ともいえます。
宅建業法、法令上の制限においても、底流には「原理原則」があり、「制度趣旨」が(漠然としつつも)存在しています。
それを意識して、学んで行けるように、と思います。