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愛知県名古屋市中区丸の内 弁護士加藤英男の日々是精進日記(ツィッター:@BengoshiKH)
by bengoshi_358
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書面があれば大丈夫か
【現実には「書面があっても裁判に負ける場合もある」し、「書面がなくても裁判に勝つ場合もある」】

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「契約書を作成すれば大丈夫!」

「書面があれば裁判でも勝てますよ!」



そう、思っている方も多いと思います。
それは間違いではありません。

裁判は、証拠がとても大切です。
書面は、その当時作成されたものであれば、重要な証拠となるものです。


なぜ、書面が重要な証拠となるかというと、
書面が、双方当事者の、当時の意思の内容(が合致していること)を証明するものとなるからです。


法律効果がなぜ発生するか、権利が認められるか、というと、「当事者がそう決めた」からです。
自由主義国家では、私的な事柄については、国民ひとりひとりが、双方の話し合いで、原則として自由に決めることができます。
自由主義国家では、「当事者がそう決めた」ならば、原則として、その決めたとおりの法律効果、権利の発生・変更・移転・消滅を認めてあげましょう、という建前になっています。

「当事者がそう決めた」と書かれている書面は、その書面が作成された当時、後日、第三者の立場から見ても、まさに「当事者がそう決めた」のだろうと納得させられる証拠となります。


裁判では、「当事者がそう決めた」かどうか、その内容はどんなだったのか、が 争われます。


「当事者がそう決めた」といえるためには、双方当事者の考えていることが「一致」していなければなりません。
「一致」していることは、外形上(言葉の上で)一致しているだけでなく、実質的にも一致していなければなりません。


『工作機械を3億円で買う・売る』という場合、双方当事者の話した言葉の上で、また、書面上の記載において、『A型工作機械』を『3億円』で『売買』すると合致していれば、契約としては一応、成立しているといえます。
しかし、売主が『A型工作機械(中古品)』を売るつもりであり、買主が『A型工作機械(新品)』を買うつもりであった場合には、不一致があることになります。
この不一致は、「錯誤」といって、契約に問題があることになり、一定の条件の下で、取り消すことができるとされています(民法第95条)。

また、会社間の取引では考えられないことですが、契約の一方当事者が、たとえば認知症などの病気により、正常な判断ができない状態であった場合(意思能力が欠如していた場合)には、そもそも契約は無効となります(民法第3条の2)。
遺言などでは、せっかく専門家に頼んで作成してもらったにもかかわらず、認知症(とくにまだらぼけと言われる症状)を見落としていて、結局、無効な書面となる、という事例は多々あります。

書面があるにもかかわらず、「負ける場合」です。


逆に、書面がなくても、双方当事者の、当時の意思の内容(が合致していること)を証明することができたならば、書面がなくとも、勝てることがあります。

「書面の記載内容と当事者の意思の内容が相違する」場合、
「全く書面がない」場合、
その契約当時のファックス、メールのやり取り、会話の内容、双方の事情などの間接事実を丹念に証明することで、双方当事者の意思の内容を認定し、その合致する範囲内で契約の効力を認められることがあります。

それが、書面がないにもかかわらず、「勝つ」場合です。



書面は重要な証拠ですが、それが全てではない、ということです。



by bengoshi_358 | 2019-03-29 17:19 | その他法律関連
宅建士試験合格講座(入門編)続・はじめに 3 (宅建業法の基本原理)
日本は、法治国家です。
国家と国民の関係、国民と国民の間の関係は、国民の代表者で構成される国会で定められた法律によって規律されます。

その法律は、その時々の国会(議員)が、好き勝手に制定できるものではありません。
日本国憲法で許される範囲内でしか制定できません。

日本国憲法は、世間で言われているように、たしかに、その成立過程には問題もあります。
しかし、基本的人権の保障、その確保手段としての立憲民主政の採用などの点においては、他の先進国の憲法に引けをとりません。

日本国憲法は、国民一人一人の「個人の尊厳」を確保することを究極の目標としています(第13条)。
そのために、個々の国民に、自由と平等を保障しています。
但し、それも他者の自由や平等を不当に侵害しないことが条件です。

個々の国民には、それぞれの能力、経験において、また、その他の諸条件や状況において違いがあります。
その違いに応じた自由や平等の保障こそが大切です。
それぞれの違いに応じてこそ、実質的に個々の国民に自由と平等を等しく保障することになります。

国会が制定する法律は、「実質的に個々の国民に自由と平等を等しく保障する」ことを目的として制定されねばならないのです。

皆さんが勉強する、宅地建物取引業法は、国民と国民との間の取引について、直接規制するものではありません。
「業法」といって、特定の事業を営む者や団体について規制する法律です。
それでも、憲法の下にあって、「実質的に個々の国民に自由と平等を等しく保障する」ことを目的として制定されていることには変わりありません。

宅地建物は、日本では、国民が一生のうちに一度取引することがあるかないか、というくらい、価値ある商品です。非常に高額です。その宅地建物の取引に関わる業者には、高いモラルとスキルが求められます。
宅地建物の取引をする国民に、不測の損害が生じないようにする。
宅地建物の取引をする国民が、食い物にされないようにする。
一般消費者である国民、業者との間に、実質的自由と平等を確保するように、作られています。

こういうことは、世間に出ている宅建業法の教科書には書かれていません。


しかし、日本の法律は、日本国憲法で許される範囲内でしか制定できませんし、日本国憲法の目的を実現するような法律でなければ、憲法違反とされて、無効とされる可能性もあるのです。
宅建業法は、まさしく、「業法」でありながらも、一般消費者である国民の実質的自由と平等を保障するように作られています。

具体的には、一般消費者である国民の自由、特に財産権を守るために、(1)宅建士という一定程度以上の能力(スキル)を持った有資格者に関与させ、正しい情報を共有させ、宅地建物取引業者を免許制にしてモラルを維持させ、(2)宅地建物取引業者には賠償能力を備えることを求め、(3)規制をもうけ、不利益処分や罰則をもって遵守を徹底させています。

この、(1)スキル面・情報提供・モラル維持、(2)賠償能力、(3)規制・遵守の徹底が、宅地建物取引業法の3本の柱、原理原則です。

宅地建物取引業法を勉強する際には、自分が今、何の勉強をしているのか、どこを勉強しているのか、意識しながら勉強することは、記憶と、試験場での再現に役立ちます。

(1)スキル面・情報提供・モラル維持、(2)賠償能力、(3)規制、遵守の徹底、この3つを意識して、勉強しましょう。

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by bengoshi_358 | 2019-03-25 18:17 | 宅建士試験合格講座(入門編)
今朝の作品

今朝製作した作品。




「土筆と菜花の玉子とじ」




ネットでレシピチェックしたお陰で美味しくできました。

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簡単にできる料理しか作れませんが、料理は頭の整理、気分転換に最適ですね。


毎日、毎朝、毎晩だと…それどころではないというのもよく分かります。


by bengoshi_358 | 2019-03-25 09:23 | 日々雑感
宅建士試験合格講座(入門編)続・はじめに 2
国家資格の試験は「田舎芝居」。

昔からそういわれています。
手を変え品を変え、同じテーマ、同じような物語で人気を博する「田舎芝居」。

余程のことが無い限り、「過去問」のレベルの難しさで、「過去問」の頻出出題分野から、「過去問」に似たような問題が出題されます。

そこで、私は、担当した「生涯学習講座・宅建士試験合格講座(入門編)」では、「過去問」を教材にしました。
講座では、「制度」について説明をし、それを支える「制度趣旨」を説明し、さらに「制度趣旨」の背景にある「原理原則」まで説明します。

なぜ、そうしたと思われますか?

「生涯学習講座」では、受講生は若い学生ではありません。
リタイヤしたシニア層です。
様々な社会経験が記憶された脳の保持者です。


若い学生の場合には、どんどん記憶できます。
フレッシュで、メモリー容量に空きが十分あるからです。
どんどん記憶できて、易々と引き出して、解答までできます。


ところが、シニア層の場合には、多くの記憶情報が邪魔をして、記憶に時間がかかったり、引き出すことにも時間がかかります。

よく、「歳のせいで…」なんて言われますが、私はそうではないと思っています。
「歳のせいで、記憶力が落ちた」のではなく、多くの記憶情報があるために、記憶と再現に工夫しないと、記憶や再現が難しいということだと思います。

・記憶する場合にも、整理整頓して記憶する。
・引き出す場合にも、整理整頓した手順によって徐々に引き出す。

そんな工夫で、十分記憶し、再現することはできます。
特に法律は、よく出来た法律の場合には、精緻な論理体系に沿っています。
「原理原則」「制度趣旨」がしっかり背景にあります。

私は、シニア層には、(1)「原理原則」「制度趣旨」で整理整頓して記憶すること、(2)「原理原則」「制度趣旨」で整理整頓して思い出すこと、をお勧めします。

「原理原則」「制度趣旨」を理解しながら学習することは、省エネで、記憶。
「原理原則」「制度趣旨」を理解しながら学習することは、省エネで、省エネで、再現。
…ともいえます。

宅建業法、法令上の制限においても、底流には「原理原則」があり、「制度趣旨」が(漠然としつつも)存在しています。

それを意識して、学んで行けるように、と思います。

by bengoshi_358 | 2019-03-22 20:26 | 宅建士試験合格講座(入門編)
庭作業

先週接木のために渋柿を切ったが、切った枝木の処理が未だだった。




そこで、ハッチで小枝を落とし、ゴミ集積所に出せるようにした。




途中でゴーグル代わりに眼鏡を掛ける。生木だから跳ねないはずだが、キックボクシングジムで「目をつぶっちゃダメだ!」と指導されて、物が飛んで来ても目をつぶらない癖が付いたので、危険回避、念のために。



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by bengoshi_358 | 2019-03-21 16:23 | 趣味
宅建士試験合格講座(入門編)続・はじめに
私が担当した「生涯学習講座」は、もともとは「老後破産」についてのお話をさせて頂いた際に、『では、今後どうしたら良いのでしょうか?』と尋ねられたのがきっかけで始まりました。

The how should we live?

まさしく青年時代の問いと同じ問いを、シニア時代にも投げかけねばならない。
人生100年時代は、そういう時代なのですね。


お金に関する基本は、「収入の範囲内で暮らす」「出と入りをコントロールする」です。

みんな分かっています。

でも、そんなお話だけで面白いですか?
定年になっても、みんな元気でピンピンしていますよね。昔とは違う。
人生100年なら、まだ、40年。
少なくとも10年だったのが15年、20年は元気な時代。

『ちょっと、攻めてみましょうか?』
『働けるなら働いてしまえばどうでしょうか?』

『仕事はありますかねえ?』

『ボスを探せ、見つからなければ自分がボスになれ! ですよ。』

『事業始めるのは大変ですよね?』

『スモールビジネスから始められるのが普通です。』

『難しい手続や法律も知らないし。』

『専門家頼めるまでは、自分で勉強しないとダメかも。…どうせ法律必要だし、そうだ、資格があると就職もしやすいかも知れませんね。』

『教えて下さい!』

そんなようなやり取りから、でした。
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by bengoshi_358 | 2019-03-21 08:28 | 宅建士試験合格講座(入門編)
宅建士試験合格講座(入門編)【宅建業法】1

【1】平成27年第26問(宅建業法)

次の記述のうち、宅建業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア.都市計画法に規定する工業専用地域内の土地で、建築資材置場の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する「宅地」に該当する。

イ.社会福祉法人が、高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定する「サービス付高齢者向け住宅」の「貸借」の「媒介」を「反復継続して営む」場合は、「宅地建物取引業」の免許を必要としない。

ウ.都市計画法に規定する「開発地域以外の土地」で、「倉庫」の用に供されているものは、法第2条第1号に規定する「宅地」に該当しない。

エ.「賃貸住宅」の「管理業者」が、貸主から管理業務とあわせて「入居者募集」の依頼を受けて、「貸借」の「媒介」を「反復継続」して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。

1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

〔解説〕
ア.の肢
「宅地」とは、①建物が建っている土地、②将来建物を建てる目的で取引する土地(地目問わない)、③用途地域内の土地をいいます。
「工業専用地域」は、都市計画法上(8条1号)の用途地域です。
ですので、これは正しいです。

イ.の肢
「宅地建物取引業」の免許を要するのは、「宅地」または「建物」の「取引」を「業」として行う場合です。
「宅地」は、ア.で説明したとおりです。
「建物」は、「柱と壁で囲まれて屋根を備えた構造物」の一切をいいます。
「取引」とは、①自ら売買・交換、②売買・交換・貸借の代理、③売買・交換・貸借の媒介を行うことです。
「業」とは、反復継続して営むことをいいます。
「サービス付高齢者向け住宅」も「柱と壁で囲まれて屋根を備えた構造物」ですから、「建物」です。
ですので、これは誤りです。

ウ.の肢
「宅地」は、ア.で説明したとおりです。
「開発地域以外の土地で、倉庫の用に供されているもの」とは、「開発地域以外の土地で、倉庫が建っているもの」という意味です。
つまり、ア.の「①建物が建っている土地」に該当します。
ですから、「開発地域以外の土地で、倉庫の用に供されているもの」は「宅地」です。
ですので、これが誤りです。

エ.の肢
「管理業者」で実際に「管理」だけを行っているならば、「宅地または建物の取引を業として行う場合」には該当しませんので、宅建取引業の免許は不要です。
しかし、「管理業者」が「貸借の媒介を反復継続して営む場合」は、イ.の「取引」、「③売買・交換・貸借の媒介」の「貸借の媒介」に該当します。
「貸借の媒介」という「取引」を「反復継続して営む」、つまり「業」として行うのですから、「宅地建物取引業」を行うことになり、「宅地建物取引業」の免許が必要です。
ですので、これは誤りです。

以上から、正しいのは1つだけ。
よって、1が正しいということになります。






<参考>
※宅建業法の規制範囲について、明快な図がありましたのでお知らせします。
上記のページ中、「宅地建物取引業の規制範囲とは」というPDFのリンク元をクリックされると、図がDLできます。
※国や地方公共団体のHPには、使える情報が沢山あります。

by bengoshi_358 | 2019-03-20 17:43 | 宅建士試験合格講座(入門編)
宅建士試験合格講座(入門編)はじめに
宅建士合格講座(入門編)


私はある都市で、ここ数年、シニア層向けの「生涯学習講座」の講師をしておりました。

教える内容は、「法律」ですが、ただ机上の学問をお教えしても、シニア層には面白くないと思いますし、人生100年時代を見据え、「資格試験チャレンジ講座」を謳ってみようと思い、「宅建士試験対策」を通じて「法律」を学ぶというコンセプトにしました。

そして、講義を重ねるうちに、沢山の人生経験を積んだシニア層には、「詰め込み暗記」は向かず、「制度趣旨」「原理原則」などの最低限の知識を固め、その場で肢を切っていく進み方がよいと確信しました。

もちろん、試験に合格するためには「暗記」は大切です。
けれども、シニア層が相手ですから、神経衰弱になるような受験勉強は回避したい。
むしろ、「法律」の「制度趣旨」「原理原則」を知って頂き、また、宅建士試験に出題される「法令」を含めた「法律」を知ることの楽しさを体験してほしい、楽しみながら、最後に合格できるような、そんな講座にしたい。

そう思って、数年間話してきたことのエッセンスを、2019年合格講座(入門編)として、共有してみようと思います。


シニア層の方々、そうでない方も楽しんで頂ければ幸いです。
クロスワードパズルよりは絶対おもしろいし、日常生活に役に立ち、もしかしたら、資格も取れる。

そんな思いをもって、一緒に勉強できたらと思います。


by bengoshi_358 | 2019-03-20 17:32 | 宅建士試験合格講座(入門編)
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