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愛知県名古屋市中区丸の内 弁護士加藤英男の日々是精進日記(ツィッター:@BengoshiKH)
by bengoshi_358
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カテゴリ:離婚( 29 )
離婚 調停・裁判に弁護士なしで大丈夫か?
弁護士の役割は、クライアントから事情を聴いて、証拠に基づいて確認できた事実を法律に当てはめて、裁判所の判断をクライアントにより有利に導くことにあります。


一般の民事事件では、まさに上記のとおりです。
民事訴訟では、技術的な部分も少なくなくありません。
訴訟で主張するにふさわしい事実、それら事実を証明するに十分な証拠、適用法令、敵方の主張事実や提出証拠の認否…等、様々な取捨選択や決断、判断が必要になります。
ですから、一般の民事訴訟、即ち、裁判になってしまったら、専門家である弁護士に依頼されるのが安心です。


では、離婚事件ではどうでしょうか?

もっとも、離婚などの家事事件に関していえば、弁護士の役割はもう少し広がります。
当該紛争から派生して色々生じる疑問や不安を解消してくれるコンサル、カウンセラー的な役割もあります。
もちろん事案によっては、それまで相手方から押されていた事件について、主張されていなかった事実、見落とされていた証拠を発掘して逆転という、弁護士が本来の役割を発揮する場合もあります。
でも、離婚事件では、純然たる当事者対立構造ではなくて、家裁が後見的かつ公権的立場から、証拠を自ら収集確認し、両性及び未成年者の福祉の見地から妥当な判断をするという建前がありますから、弁護士が大活躍するというケースは稀ではないかと思います。

そもそもが調停に限っては、弁護士を立てないでも当事者だけで手軽に利用できる手続ですから、まずはご自身で始められてみるのが良いかもしれません。
調停委員や調査官に対しては、誠実に、一所懸命に説明し、わからないことは素直に教えを乞うならば、裁判所も公平に反しない限度で指導はしてくれます。


問題は、昨今では家事事件の本来のあり方(後見的&公権的関与)から離れ、一般民事事件のような当事者主義(自己に有利な主張や証拠は自分で探して提出しないと取り上げてくれない)的な手続進行をされる場合もあります。

ですから、事案がDVだったり、多額で多岐にわたる夫婦共有財産があるとか、慰謝料請求がしたい等という場合でなければ、まずはご自身で始めてみる。
そして、調停の中で、調停委員の言葉や、手続の進め方に不安を感じられるようなことがあれば、その時点で弁護士に相談されれても遅すぎることは少ないのではないかと思います。

離婚調停における弁護士は、例えて言うならば、マラソンの伴走者。
サファリレースのナビゲーター。
登山のガイド、シェルパ。
そういった役割もありますから、初めからそういうサポートが欲しいという方はそのようにされたらよろしいのではないでしょうか。

離婚裁判になれば、手続がきちんと整備され、技術的側面が強くなってきますので、離婚だけという単一争点の事件でもない限り、弁護士に相談されるのが良いでしょう。
(※弁護士ドットコム・みんなの法律相談への回答に加筆)
by bengoshi_358 | 2011-09-05 18:18 | 離婚
離婚手続中・離婚後の面接交渉
このところ、ツィッター等でも、離婚手続中ないし離婚後の面接交渉に悩まれている方の声を目にする。

先日登録した「弁護士ドットコム」というサイトでも目にした。
(このサイトは、以前から知っていたが、いささか偏見を持っていて、スルーしていたが、今年になって元榮弁護士と神田昌典氏の対談CDを聴いて、考えを改めた)

切実な声に、つい回答を書いていた。

同じように悩まれている方々にも細やかな励ましにでもなれば幸いです。


【弁護士ドットコムへの回答】

(相談者A)さんとお子さんたちのことを思うと、胸が痛みます。

私が法律相談でこのようなご相談をされたならば、多分「面接交渉の調停申立をしましょう」と申し上げると思います。

小さなお子さんにとって、母親はかけがえのない存在です。
事情のよくわからないお子さんにとっては、「捨てられた」という漠然とした思いが心に溜まっていくのではないかと心配です。
慰謝料金額ですが、仮に不貞を理由にされたとしても、そこに至る事情も様々でしょうし、元ご主人側の主張が全て認められたとしても、相場的には概ね200~300万円だと思うのですが(あくまでも個人的な経験上ですので地域的に相違があるかも知れません)、明らかに差押ができる財産がないのであれば、空手形。長期分割で支払う合意をされることも不可能ではありません。

面接交渉は、お子さんのためのものです。
そして、それはご両親の間の問題とは別個の問題です。
さらに言えば、事情からして、元ご主人には厳しいことかも知れませんが、小さなお子さんにとって母親が大切な存在であることを元ご主人にもご理解いただけたらと願ってやみません。

精神論になってしまって申し訳ありませんが、まずは心で信じ、希望をもって調停に臨み、あなたのお子さんへの愛情と責任感と熱意を、調停委員の先生方、調査官に理解していただけるようにがんばってください。
全ては、着手しなければ、事として成りません。
必ずうまくいくとは言えませんが、お子さんのためにも、恐れを押さえ、向かって行って頂きたいと思います。

蛇足になりますが、家裁では、たとえ不貞があっても小さなお子さんの親権はおかあさんにという判断が多いです。
経済的に劣ったとしても、元夫からは養育費を得られますから、お子さんはおかあさんのところへというのが実務的な感覚です。
血の滲むような思いで、お子さんを置いてこられたのでしょうから、申し上げないつもりでしたが、本当にとことん争えば、お子さんと暮らせたかも知れなかったことを頭の隅のどこかに置いて下さい。
元夫には、お子さんたちと暮らせなくなるかも知れなかったわけですから、面接交渉くらい認めてくれてもよいはずなのです。

遠くからささやかな応援をさせて頂きます。
どうか、負けないでがんばってください。
by bengoshi_358 | 2011-08-23 14:16 | 離婚
闘わない弁護士でも意見はします
調停でクライアントが泣かされた。

調停委員の先生、調査官の予断と偏見の一端が見える、少し意地悪な問いかけに堪えきれなかった。

その場ではフォローしきれなかったので、書面で意見を提出しておきたい。
パフォーマンスや無意味な争いは好まないけれど、シュガースィートなわけではないし、不適切な進行には異議を唱えねば。

ここは意見をいうべきところだと思うから。
by bengoshi_358 | 2011-06-14 15:49 | 離婚
調停で気をつけるべきこと
調停について書かれた色々な本で、一般の方でも参考になると思われるのが、家事調停委員向けに語りかけるような思いで書いたとまえがきに書かれている、「離婚調停ガイドブック」(梶村太市著、日本加除出版)だと思います。

ボリュームは有りますが、弁護士に頼らずに本人だけで調停に臨みたいと思われる方は手にとってご覧になることをお勧めします。

今手元のあるのは、現在刊行されている前の版です。
「第5章 成立率を高めるためどのような技法があるか」の「 一、離婚調停の紛争解決機能を高めるための諸工夫」には、調停に対する批判が列挙されています。

(1)マァマァ調停
事実の認定も法律的評価も曖昧なまま円くおさめてしまおうという調停

(2)足して2で割る調停
双方の言い分を足して2で割る調停

(3)ダラダラ調停
先が見えない、見通しなくダラダラ無駄な期日を重ねていく調停

(4)ゴネ得調停
強い者がゴネて勝って、弱い者がそれに押されて負けてしまう調停

(5)強い者勝ち調停
弱者や口下手な者が負けてしまう調停

(6)義理と人情による調停
義理人情や「家」を重んじる調停

(7)押し付け調停
*調停委員の考えを無理に押し付ける調停←調停委員への陥りがちな傾向への戒めであって、真の意味での友情ある説得が理想であるという。

(8)裁判官不在の調停
*専ら調停委員が前面に出て裁判官の存在感が薄い調停←裁判官の人数の問題で調停に参加はできないが、節目節目には現に立会い、また調停委員と十分な意見交換をしているので現実には不在とは言えないという

(1)〜(7)に書かれていることのいくつかは、何年も弁護士をしていれば経験済みです。
もっとも、最近の調停員の先生方は丁寧に調停を進められる方が多く、ネガティブな感想を持つ調停は殆どありません。
ただ、どんなことでも「備えよ常に」です。
予め心備えがある場合とそうでない場合とでは、結果は変わってしまいます。
調停では、不服があっても認めてしまえば、そこでおしまいになってしまいます。

自分自身の納得する気持ちがあってこその調停です。

ずっと以前から言われている、(1)〜(7)のような調停の極めて低い確率の当選者になってしまった場合に、決して現場で疑問を感じたままの状態で成立させてしまわないことを肝に銘ずる。
そのためには、調停委員が絶対ではなく、(1)〜(7)のようなこともあり得るということだけでも、頭の隅っこに置いておかれるとよいと思います。

これが、調停で、まず第一に気をつけるべきことです。


裁判所側の方(著者の梶村先生は元裁判官)が書かれたこの本は、弁護士からしても家裁のスタンス、調停委員の事情もうかがい知ることができて面白いので、たまに読み返しています。
by bengoshi_358 | 2011-04-13 16:31 | 離婚
子どもとの面接交渉
「家族法学と家庭裁判所」(梶村太市、日本加除出版株式会社)を開く。

子どもとの面接交渉に関する論考が、100頁近くある。

読み始めたところであるが、面接交渉については、実務界は消極的になってきているという印象を受ける。
「法には人間関係を管理する能力がなく、科学の力も子の利益について長期の予測をすることには限界がある」、そして、「現に監護している親に放任、濫用、遺棄等の行為がなく、子に非行などの事実がなければ」一応円満な生活を送っていると推定してよいという趣旨の記述がある。

何よりも、子どもの福祉が第一である。

小さな子どものいる離婚は、当事者に愛別離苦の血の涙を流させ続ける。
子どもを奪われた側はもちろん、引き取れた側も相応の重荷を負い続けることになるだろう。


だから、まずはとにかく、そういう事態に至らぬように。
すれ違いが溝になり、亀裂にならぬよう。
夫婦間の意思疎通は常日頃から努力して欲しいと思う。

と書いて、また我が身を省みる。
by bengoshi_358 | 2009-11-19 19:29 | 離婚
婚姻費用分担義務の始期
(1)婚姻費用
夫婦が別居すれば、収入の多い側は少ない側に、従前の生活水準を保持できるようにするため、婚姻費用として生活費を援助しなければなりません。
この婚姻費用は、月払いとされています。


(2)婚姻費用の金額
婚姻費用、つまり一方から他方に支払われるべき生活費が幾らになるのかは、夫婦の収入により異なります。
夫婦それぞれの収入をもとに、計算式に当てはめて算出されます。


(3)婚姻費用分担義務の始期
問題は、婚姻費用が何時から貰えるかということです。

この点、これまでは、 ア.要分担状態発生時点であるという裁判例、イ.申立時点であるという裁判例に二分されていると言われていました。
ア.要分担状態発生時点とは、一方が生活費が不足した状態が発生した時点、通常は別居時ということになります。
イ.申立時点とは、婚姻費用分担請求のための調停が申し立てられた時点ということです。
わたしは、弱者救済、気の毒な側により有利な ア.要分担状態発生時点が妥当であると思いますし、実際にこれまで、ア.説での裁判例を多く見ていました。

ところが、今度、イ.説に立つ決定を頂きました。

当事者間の公平、不意打ち防止という観点を強調すれば、 イ.説ということになります。
別居=要分担状態発生と言えない事案もないではありません。
申立しないということは、畢竟、要分担状態ではないと評価されても仕方ない事案もあるでしょう。

今回の事案は、他の方法でも救済の余地が残っています。
最高裁で争うより、そちらに精力を傾けていくのがよいかも知れませんが、如何。
by bengoshi_358 | 2009-11-12 18:21 | 離婚
DV事案の難しさ
例の事件によって、DV保護のあり方について議論が起こり始めています。
今朝の朝日新聞一面に記事がありました。

DV保護が認められると、被害者は加害者から隔離されます。
関わってみてわかったのですが、ほぼ完全な隔離状態に置かれます。
これは、保護の見地からは正しいことであると思われます。

調査によれば、申立率の高低は、取下げ率の高低と重なるといいます。
この点も問題であるとは思います。
申し立てをしても、関係諸機関の説得に遭い、申立を見合わせる、申し立てても取下げるということも窺えるかの指摘もあながち間違いではないといえましょう。


ただ、完全な隔離は夫婦関係・親子関係の事実上の終了を意味します。
成人した男女が関係を終了させること、そしてその際、DVがあるために関係諸機関から救済を受けられることは良いことです。
ただ、未成年子のある夫婦間の場合、親子関係をも事実上終了させてしまいかねないことなので、いくらか配慮が必要なのではないかと思います。

DV事案で、重大事件に発展することがないように、DV申告があれば必ず受理し、手続を進める。
そして、取下げ申出があっても、慎重に調査して、思いとどまらせるべきでしょう。
そうではあるけれども、DV保護は、崩壊した家庭から弱者を救いますが、崩壊していない家族関係をも壊しかねない両刃の剣でもあるのです。

保護は必要だし、申立があれば必ず即時隔離は必要だとは思います。
しかし、全てのケースが完全隔離するだけでよいかというと、それも問題であると思います。
そして、心理状況やメンタルヘルスの専門家(心理学者、心理療法士、精神科医等)がもっと関与し、事情に応じて、環境調整できるようなシステムが必要なように思います。

制度や理念がよくても、正しく運用がなされなければなりません。
そして、其の為には、運用者側の意識を高めることともに、強大な措置であるために、エラーを少なく(特に子どもに不利益がないように)するために、専門家による調査助言を制度に取り込んで欲しいと思う次第です。


それにしても、DV事案は難しい。
人間の感情や心理の絡む事件が一番難しい。

若手の法律実務家には、家事事件を一般民事事件と同様に考えたり、一般民事事件よりも法律上の争点が少ないかはっきりしていることで軽く考えたりする人もいないではないですが、家事事件は、むしろ難しい。
そして、何よりもDV的な事案は難しいですね。
DV的な事案は、被害者側、加害者側どちらも経験しましたが、難しいタイプの事件だと思います。
by bengoshi_358 | 2009-07-27 07:18 | 離婚
離婚問題と女性の男性化、男性の女性化
女性が男性化しているというのは、「オヤジギャル」という言葉が出た頃か、その少し前から言われています。
男性も女性化しているということも、「フェミオ」という言葉が出た頃か、その少し前から言われています。

以前は、浮気は圧倒的に男性側でしたが、最近は、女性にも増加しています。
浮気のタイプには、積極的に相手を求めて行く男性型、夫婦間の不和から心の渇望を癒すために浮気をしてしまう女性型がありますが、男性=男性型、女性=女性型という構図ではなくなってきていると思います。


今後どうしたいか、そのためには原因を究明してどう対応するべきか、を考えねばなりませんね。

何人もの人が傷つくのですから、できるならば離婚は避けたいし、その決定的な原因となるようなことはしないようにするのが大切です。


どうにもならなくなったら誰かに相談することですし、どうにもならなくなる前に相談するのがもっとよいと思います。
by bengoshi_358 | 2009-04-22 11:19 | 離婚
法律相談:離婚相談集中日
今日は弁護士会の法律相談担当日でした。

離婚相談集中日ということで、1件を除いて離婚相談でした。

離婚や相続といった人的関係が濃い事件では、相談時間が長くなりがちです。
またじっくりお聴きしないと、適切なご回答ができずに、教科書的な説明しかできません。

そういう意味では、どの相談も時間オーバー気味。
弁護士会事務局の方々にはご迷惑をお掛けしたかも知れません。


人的関係の濃い事件では、一方が全面的に正しく、他方が完全に間違っている事件というのは、むしろ少ないし、どちらも実は悪いとは言えず、単にすれ違いなだけであるということも少なくありません。

当事者の実家の親や兄弟などの近い関係者だけでなく、冷静な第三者の話も聴きつつ、困難な状況を打開できるように努められるとよいですね。

お早めに弁護士会の法律相談などにお出かけになられるとよいでしょう。
単に愚痴でもよいですから、お聴きした上で、一緒に最善の方法を考えられればと思っています。


愛知県弁護士会では、離婚を集中的にお受けする日を設けています。
他の弁護士会ではそういう日があるか不明ですが、一般相談でもよいので、「どうもおかしい」「腹が立つ」「やりきれない」というお気持ちになったときには、お近くの弁護士会にご相談ください。
by bengoshi_358 | 2009-03-03 15:52 | 離婚
契約(書)社会は来たか。
欧米化が進み、契約する、契約書を作るということが重視されてきたと言われて久しいです。

弁護士会でも、依頼者さんとの委任関係や顧問関係を明確にするために、契約書を作るように勧めがあったのが、もう10年くらい前だったでしょうか(当時、弁護士は仕事では契約書を作るのに、依頼者さんとは契約書を作ることが稀でした。依頼者と契約書を作らなければ安心できないようなら、仕事は請けないという人もいました)。


最近、婚姻契約(婚姻前契約)に興味が湧き、専門書を探しましたが、あまり出ていません。

「北米合衆国における婚姻前の契約」(佐藤良雄、システムファイブ)くらいでしょうか。


早速入手してざっと読んでみました。

実務的には、北米特有の問題もありはしますが、当たり前のことを当たり前に確認しておくことが大切だというのが初めの印象です。

網羅的に、できるだけ条項化し、後で紛争にならないようにしなければなりません。
それから、日本では、公正証書にするのがよいでしょうね。
by bengoshi_358 | 2008-10-29 13:09 | 離婚
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