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愛知県名古屋市中区丸の内 弁護士加藤英男の日々是精進日記(ツィッター:@BengoshiKH)
by bengoshi_358
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カテゴリ:民事再生法( 10 )
個人再生における非減免債権について
個人再生にも、非減免債権というものが設けられました。

非減免債権とは、責任を減免されることが認められない債権をいいます。
民事再生手続によれば、債権の支払責任(義務)が最大で9割も減額が可能なのですが、非減免債権は減額が一切認められません。

具体的には、下記のものが挙げられています。
(1)悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
(2)故意又は重過失により加えた人の生命身体を害する不法行為
(3)養育者又は扶養義務者として負担する費用に関する債権に基づく損害賠償請求権

具体例でいいますと、(1)は、暴行傷害、窃盗、横領などにより負担することとなった損害賠償金債務が相当します。(2)は、人身事故を起して負担した債務が相当します。(3)は、婚姻費用や養育費が相当します。

これらの非減免債権については、3〜5年の間で定められた再生計画期間中に、再生計画で定められた債権カットの一般的基準により、9割カットなら1割を他の一般再生債権と同様に支払って行き、3〜5年の期間満了時に9割を一括で支払わなければなりません。
この非減免債権の額が大きい場合には、履行可能性が乏しいということになりそうです。また、その場合、非減免債権者が再生計画案に反対ということになると(議決権がのない債権を列挙した法87条2項に非減免債権が挙がっておりませんので)、再生計画案の決議条件をクリアすることも難しくなると思います。
by bengoshi_358 | 2007-11-21 21:14 | 民事再生法
打ち合わせは続く。。
民事再生の打ち合わせは長くなります。

社長、経理担当者、公認会計士、弁護士。
法律、会計、経営の問題が絡み合います。
それぞれの立場で、それぞれの知恵を出し合って、債権者のみなさんにご理解とご納得がいただけるような再生計画案を作成します。

いろんな意見が出て、何度も何度も訂正を入れていきます。

裁判所や監督委員からもご意見をいただきます。
時として厳しいご意見であったりします。

関係者のすべてにとって、よい結果となりますように。
ただただ祈りつつ、がんばるしかありません。
by bengoshi_358 | 2007-08-01 21:14 | 民事再生法
枠組みの選択。
会社の民事再生の相談がいくつかあります。

民事再生には、風評被害がついてまわります。
かえって、お金の流れがクリアになって、健全化するのですが、それを理解してもらえないこともある。

だから、よほど地力のある企業、スポンサーのいるケース、スポンサーでなくとも協力的な取引先がなければ、難しいのは確かです。


ただ、裁判所を使わない枠組み(再生スキーム)を利用する場合も同じこと。
風評被害は少ないけれど、スポンサー、協力業者の存在は重要ですし、債権者の理解がなければなりません。
債権者としたら、好きこのんで債務免除や、リスケはしたくないのがふつうです。
大幅な条件緩和であればなおのこと。
大幅な条件緩和について、社内で決裁が下りるのはよほどのことです。
民事再生で、8〜9割の債務カットでも決裁が下りるのは、裁判所の決定があり、監督委員の監督があるから、それを信用してのこと。
公の監督も何もなくて、なかなか信用は出来ないし、へたな決裁は責任問題になってしまいます。裁判所の決定があれば、それはそれで責任問題にはなりにくい。裁判所の決定がなく、監督委員の監督もなく信用できるか疑問である以上、私的整理では、債権者内部での決裁が下りにくいのではないかと思うのですね。



裁判所を使わない枠組みは私的整理と呼ばれます。
単純に一部債務免除を願い出る場合、会社分割や、営業譲渡などの会社法上の制度を使う場合があります。

会社法上の制度を使えば、簡単に債務免除が得られる、再建できるなどという、甘い期待は禁物です。
単純に、悪いところを切り捨てただけで債務免除が得られるならば、破産手続をする会社など存在しなくなります。

会社法上の制度を使って、合理化、借金の切り離しをする場合にも、債権者保護手続があって、債権者の同意がなければことは進みません。たとえば、予め個別の同意を得なくても、会社法上の会社分割はできるのですが、分割に異議のある債権者に対しては、全額の弁済・相当の担保供与・相当の財産の信託をしなければなくなります(会社法789条5項、799条5項)。また、異議申立の催告を受けなかった債権者に対しても、分割の効力発生時に存在した財産価額の限度で返済責任が生じます(会社法759条2項、3項)

うまい方法、ボロい方法はありません。

債権者の協力は不可欠です。
債権者が理解を示してくれているのであれば、私的整理の枠組みでいけるかもしれません。
債権者に相談したら、即相殺、資金凍結という恐れがあったり、運転資金のショートが目に見えているのであれば、まずは民事再生のような法的手続をもって弁済禁止を得て、それから相談をしていき、会社法上の制度の利用も選択肢に入れつつ、再生計画を作成することになります。

弁護士が民事再生や会社更生、破産といった、裁判所での手続をとるのには、やっぱり理由があります。
債権者に知れたら、即資金凍結・引き上げの恐れがある場合がほとんどだから。

しかし、そうではない場合、つまり会社が資金凍結・引き上げのリスクをとって、債権者の協力を取り付けたという場合や、会社に地力があってしかも協力なスポンサー・協力的な取引業者がある場合には、会社分割や営業譲渡スキームの採用も考えてみるべきでしょうね。
by bengoshi_358 | 2007-06-21 17:21 | 民事再生法
双方未履行双務契約の処理。
民事再生法49条1項によると、再生債務者等は、双方未履行双務契約につき契約を維持するか解除するかの選択権を与えられます。

ここで、双方未履行双務契約には、一部履行済のものがあっても未履行のものが残っているものも含むと言われています。

そこで、契約の解除がなされた場合、履行済のものはどうなるのか。
原状回復義務はどうなるのか。
法49条5項によると、共益債権になってしまいます。
つまり、再生計画案によって削減されない債権ということです。


しかし、それは「債務者が解除を選択」した場合です。

双務契約の契約書面上、民事再生手続開始申立が無催告解除の事由になるという、当然解除条項による、債権者側の解除の場合はどうなるでしょうか。



さて、これはわたしの頭では考えきれませんでした。
ところが、どっこい、わたしには普通の地方の弁護士として要求される程度の検索能力はありました。(それなりに文献は事務所に確保しています)

「詳解民事再生法」(福永有利監修、民事法研究会)のp.285にありました。
会社更生法の事案における最高裁判決S57.3.30がヒントになります。
この最高裁判決は、倒産当然解除条項は無効であると判示しているそうです。
あとは、この判決の射程内か外か、が攻防の決め手になりそうです。

ここからは、普通の地方の弁護士でもなんとか考えていけます。
by bengoshi_358 | 2007-06-13 21:10 | 民事再生法
個人再生手続きの流れ
個人再生を検討されている方から、「手続きの流れを教えて欲しい。」といわれました。

いつもは口頭で説明しているのですが、この際だ、と思い、A4サイズ1枚で、エイヤっと説明書をつくってみました。

最高裁のHPから借りてきた図表も使ってます。


法制度に詳しくない相談者には説明書をお渡しした方がわかりやすいはず。


小規模個人再生手続の流れは、おおまかに下記のとおりです。
名古屋地裁の例では、おおむね開始決定から認可決定の確定まで4〜5ヶ月間となっています。



申立



開始決定



債権調査



再生計画案の決議



認可決定 同確定
by bengoshi_358 | 2007-04-12 16:08 | 民事再生法
民事再生法 第24条
(費用の予納)
民事再生法第24条
1.再生手続開始の申立をするときは、申立人は、再生手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
2.費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。


民事再生手続開始を申し立てるには、費用がたくさんかかります。
弁護士費用も破産のときより多くなりがちです。
さらに、裁判所に納付する予納金も破産よりも多めです。

名古屋地方裁判所民事第2部破産・再生係のHPに予納金の目安が掲載されています。
http://courtdomino2.courts.go.jp/K_tetsuduki.nsf/0/ff9bb6f57d421ba049256b5e0013edc6?OpenDocument


各地の地方裁判所での予納金額はご確認ください。

この予納金は、そのほとんどが、監督委員という、破産で言えば管財人のような、裁判所の機関として働く人の報酬に充てられます。
破産とは違って、新たに財産を見つけ出して、配当に回すということがないために、多めに設定されているものと思われます。実際の作業量も、破産管財人よりも監督委員の方が多いですから、そうでなければとても任務を遂行できないということでしょうか。

なお、第2項では、この額に不満がある場合には、異議を述べて再考を求められるという建前になっていますが、実際上、即時抗告まですることはなく、決定前に裁判所から打診があり、そこである程度調整いただけることの方が多いです。
現在納付可能な金額、監督委員の作業量の見込みだとか、諸般の事情を説明して、申立代理人としてはできるだけ低額にとお願いはしてみるべきですが、監督委員の大変さを知っている弁護士としては、強くも言えません。
それに、裁判所の打診とかけ離れたお願いをしてみても、「ご無理ならお取下げください。」と言われるのがオチですからね。

by bengoshi_358 | 2006-04-19 18:13 | 民事再生法
民事再生法 第21条
(再生手続開始の申立て)
第21条 1.債務者に破産手続開始の原因となる事実の生じるおそれがあるときは、債務者は、裁判所に対し、再生手続開始の申立をすることができる。債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときも、同様とする。
2.前項前段に規定する場合には、債権者も、再生手続開始の申立をすることができる。


民事再生手続を申し立てるための要件に関する規定です。

1.前段について
民事再生手続は、「破産手続開始の原因となる事実」が生じる恐れがあれば申立可能だということです。

「破産手続開始の原因となる事実」とは、「支払不能」、「債務超過」(破産法15-1、16-1)をいいます。

ここで、「支払不能」とは、債務者が支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいいます(破産法2条-十一)。また、債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定されます(破産法15-2)。
「債務超過」とは、総負債額が総資産額を上回ることをいいます。

したがいまして、弁済期にある債務が一般的かつ継続的に弁済不可能となるおそれがあるか、総負債額が総資産額を超える恐れがあれば、民事再生手続は申立可能であるということです。

1.後段について
また、「事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき」も申立が可能です。
「破産手続開始の原因となる事実」が生じるおそれがなくても、例えば、弁済期にある債務弁済のために、事業用財産を切り売りしなければならなくなったような場合であれば、よいというのです。

結局、財務内容が極めて良好、業績良好という場合でない限り、申し立てようと思えばいつでも申し立てられる程度に、申立段階ではハードルが低く設定されていることがわかります。

2.について
なお、「破産手続開始の原因となる事実」が生じる恐れがあれば、債務者本人だけではなく、債権者も、民事再生を申し立てる事ができるとされました。
後述するように、民事再生では、債権を8割程度カットされてしまい、通常の再生手続では十年間で2割を完済すれば免責されてしまうというのですから、債権者側から申立をする場合は、費用もかかることですし、よほどの事情がある場合であろうと思います。
by bengoshi_358 | 2006-04-17 17:19 | 民事再生法
民事再生法 第3条、4条
(外国人の地位)
第3条 外国人又は外国法人は、再生手続に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。


法律の適用に関しては、国籍を問わないという内外平等主義を採用するということです。


(再生事件の管轄 〜日本国の裁判所に民事再生開始の申立ができる条件)
第4条 1.この法律の規定による再生手続開始の申立は、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。
2.民事訴訟法(平成8年法律第109号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。


1.は、日本国の裁判所に民事再生開始の申立ができる条件について定めます。
個人の場合:日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有すること。
法人その他社団又は財団である場合:日本国内に営業所、事務所又は財産を有すること。

2.は、一般に、財産には債権も含まれるのですが、債権について1.の「国内に有する財産」と言えるための要件です。
要するに、日本国内で裁判をできる債権であれば、「国内に有する財産」として、民事再生の申立適格が認められるということです。
by bengoshi_358 | 2006-03-30 12:49 | 民事再生法
民事再生法 第2条
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 再生債務者 経済的に窮境にある債務者であって、その者について、再生手続開始の申立がされ、再生手続開始決定がされ、又は再生計画が遂行されているものをいう。
二 再生債務者等 管財人が選任されていない場合にあっては再生債務者、管財人が選任されている場合にあっては管財人をいう。
三 再生計画 再生債権者の権利の全部又は一部を変更する条項その他の第154条に規定する条項を定めた計画をいう。
四 再生手続 次章以下に定めるところにより、再生計画を定める手続をいう。


一 再生債務者
再生債務者とは、要するに民事再生手続開始を申し立てた申立人本人であって、民事再生手続による再生計画が終了していない人のことです。

二 再生債務者等
前号と重複しているようですが、民事再生手続でも管財人が選任されて、再生債務者が行っていた業務執行や財産管理を行う場合もありますので、業務執行や財産管理に関する規制を管財人にも及ぼすために、メインは再生債務者なのですが管財人を含める形で「再生債務者等」としているわけです。

三 再生計画
民事再生は、再生債務者において事業を継続しつつ客観的に支払可能な金額を現実的に確実な支払い方法により支払うことで残余の支払いを猶予してもらえるという制度です。
再生計画とは、この客観的に支払可能な金額内に支払い総額を押さえつつ、現実的に可能な支払い方法にされた返済計画のことです。再生債権者の多数の同意を得て、裁判所の認可を得ることが条件になります。

四 再生手続
再生手続は、監督委員や管財人が選任されている場合には、一定の期間(3年程度)を経過後、裁判所の終結決定により終了します。
監督委員や管財人が選任されていない場合には、再生計画認可決定が確定したときに終了します。
再生手続は、申立から再生手続終了までの過程をいいます。
by bengoshi_358 | 2006-03-29 17:59 | 民事再生法
民事再生法 第1条
民事再生法

(目的)
第1条 この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。


民事再生法の目的、制度趣旨が高らかに唄われます。
民事再生は、債権者の同意を取り付けつつ、債務者の資産状況や所得状況に応じて、現実的に返済可能な金額を、現実的に返済可能な方法により返済することにより、その余の残債務額についいて責任を免除するという、画期的な制度です。

利用できるのは、経済的に窮境にある「債務者」であって、原則として個人、法人を問いません。給与取得者個人再生と小規模個人再生では、個人債務者に限定されていますが、これらについては後で触れます。

「経済的に窮境にある」債務者とは、どの程度の状況になったら当てはまるのか、ですが、民事再生手続開始申立の原因(民事再生法21第1項)があればよいと言えます。
要するに、
1.破産手続開始の原因(破産法15第1項、第2項、支払不能又は支払停止)となる事実の生じるおそれがあるとき
2.債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を返済できないとき
ということです。

民事再生手続の特色としては、事業者債務者にあっては、原則としてそのまま事業を継続できるという点にあります。この点、大規模株式会社に適用される会社更生法では事業は管財人に承継されます。
また、破産のような清算手続ではないために、生産財や住居をもったまま企業の再建や個人の経済生活の立て直しが可能となっています。
by bengoshi_358 | 2006-03-28 15:29 | 民事再生法
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