はっきりした気持(天風師)でいることは、単純なミスを防ぐ、意図しないで他人の心を傷つけることを少なくすることにつながります。
そして、もうひとつ、悪意を隠し持った他人に自分の意思決定や財産のコントロールを奪われないためにも必要なことです。
短期的には明確な意思を持った者とそうでない者とでは、明確な意思を持った者が勝ちやすい。
動機や心根の善悪は問わず、短期的には明確な意思を持った者が勝つ確率が高い。
アメリカの成功哲学本で昔読みましたが、「群衆の中では肘で邪魔な人を押し退けて進もうとする人に周囲の人々は道を開けるのだ」ということは間違いありません。
(群衆の中ではっきりした気持でいる人だけは、無礼なその人をたしなめるでしょう。しかし、ほとんどの人々は、道を開けて好き放題にされてからようやく怒り、たしなめようとするも、無礼な人は涼しい顔で遥か遠方に行ってしまっていることに気づくでしょう)
いずれ是正され、回復される方法はあるのですが、そこにいたるまで、ロスはロス。
さらに、これと関連し、当たり前のことでもありますが、はっきりした気持は目標達成に不可欠です。
これもよく成功哲学本にありますが、「感情と理性が衝突したら感情が勝つ」のですね。
理性は、持続的、検証可能で一般的な動力装置。正しければ多くの人を納得させます。
感情は、爆発的、複雑で検証不可能な場合もある個人的独特な動力装置。共感する人を巻き込みます。
はっきりした気持は、理性と感情の両面である程度納得した状態ですから、理性と感情をひとつにして結晶化させたものといえそうです。
理性の持続的エネルギーと感情の爆発的エネルギーが同時に、あるいは交互にひとつの方向に向かって行くようになるのではないかと思います。
そして、理性と感情の結晶化を自発的にすることが、覚悟するということですね。
もっとも日々細かいことで覚悟していくなどはあまり現実的ではありません。
日常生活での意思決定はルーティンでオートメーションにするのが便宜。
その便宜を逆手に取るのが悪意を隠し持った詐欺的な業者など、わたしたちの財産や自由を奪おうとする人(チャルディーニ)。
チャルディーニは、違和感や危険を感じたら、その場で全てをシャットダウンして逃げ出せと書いていましたが、違和感や危険を感じられないから逃げられないで騙されてしまうわけです。
わたしは、普段からいろんな覚悟を心に持っておくと良いと思います。
自分の夢だけでなく、例えば、「無駄なものは買わない」、「今必要なものしか買わない」、「その場では決めない」、「狡い奴には騙されない」(信じて握手するための条件や手順を決めておく)などは、覚悟としてはっきり心に持っておくのがよいでしょう。
ある程度抽象度の高い覚悟を心に持つことが、日常生活での個々具体的な場面での意思決定や他人からのアクションに対して、はっきりした気持(小さな覚悟)をもって対処することを可能にすると思います。
はっきりした気持、覚悟は、言葉です。
力のある強い言葉をたくさん心に蓄えていきたいですね。