以前、同業者の先輩のスピーチで、「大所高所から申し上げますと、…」という枕詞が流行っていました。
もちろん、どなたももっと大先輩の物真似か、ギャグで使われていたのですが。
そういうスピーチを何度かされたことのある先輩をお見かけし、ふと、くだんの枕詞を思い出して笑ってしまいました。
でも、大所高所から見てみること、は大事なことだと思います。
とかく人は近視眼的になります。
小泉八雲の本の一節、富士山が見えないと文句を言う船客に対して船頭が言う、「あなたがたは目のつけどころが低いのですよ。」と見上げさせ、富士山山頂を見せたくだりが参考になります。
目の付け所が低いと、現に目の前に存在する素晴らしいものを見ることができません。
立花大敬先生の本で紹介されていましたが、カール・ルイスは、意識ないし視点を高いところに置いて、自分を操り人形のように見下ろすイメージをしてからスタートラインからゴールまで操り人形の自分を持って行くという儀式ないしメンタルリハーサルを行なっていたといいます。
意識を高く、広げることによって、本来の、あるいは本来以上の力を発揮できるようになるのかもしれません。
まずは、物事を観察し、できるだけ良いこと、積極的なことを探し、数えてみる。
そのためには、単に至近距離から直視するだけでなく、できるだけ高いところから、視野を広げて見てみる。
苫米地英人先生の言われる、抽象化する、ということにもつながるかも知れません。
パーソナルな見地からだけではなく、より多数の人々の見地から見てどうだろうか。
家族にとって、地域にとって、社会にとって、日本にとって、世界にとって、宇宙にとってどうなのか。
宇宙からしてみたら、失敗作なんてひとつもない。
みんな進化の一過程。
まだまだこれから、です。