よく尋ねられるのですが、「弁護士に依頼したら、債権者からの請求(督促)は止むか?」ということには、「原則として、そのとおりです。」と答えることができます。
金融庁からの指導により、金融機関では請求(督促)を中止して、弁護士による整理ないし裁判所への申立を待つことになっています。
当然、お金を貸した債権者は、弁護士に対して、進捗を問うことはできますが、債務者本人には一切連絡ができない建前です。
いわゆるサラ金の場合にも、弁護士が受任通知を送付すれば、ほぼ間違いなく請求(督促)を停止してくれています。
もっとも、これは正規の金融機関でのことであり、仕入れ先、買掛先などの債権者等の場合には、弁護士からの受任通知だけでは請求(督促)が止まらず、別の手続(面会架電の禁止、弁済禁止等の仮処分ほか)をとらねばならない場合もあります。
それと、正規の金融機関であっても、弁護士からの受任通知が届いていないと、請求(督促)が止まらなかったりします。
ずいぶん昔にあった相談なのですが、以前に別の弁護士に依頼したが、そのとき受任通知送付先に漏れがあったのか、ある金融機関からの請求(督促)が止まらず、その金融機関に1年間支払を継続してしまったという人がいました。
せっかく依頼しても、これでは困ってしまいます。ご本人も一部にだけ支払をしてしまい、あとで問題にもなり得ますし、その後に気がついて処理する弁護士の側も困ります。
受任通知の送付先には漏れがないように、そして、弁護士に依頼してもなお請求(督促)が来るようでしたら、すぐに弁護士に知らせるようにして、依頼後は弁護士の指示があるまでは返済をしないようにしてください。