以前から、債務超過の会社をそのまま残して(放置して)、会社の社長だけが破産ないし民事再生するということはありました。
しかし、最近はそれがいくらか目立ちます。
しかも、安易に考えている方もみえます。
会社をそのままにして、生きている社長や役員を救うというのは、実は窮余の策です。
残る従業員は家族だけ、あるいは未払い給与なく全員退職済みのケースで、大口債権者はもちろん、小口零細な無担保債権者の納得が得られる見込みがあるときであり、会社を破産させる費用がない場合にやむなく、社長や役員個人だけを救うというものです。
安易な考えで行うと、結果的に救おうとした個人の生活や家庭が成り立たなくなることもあるのです。
債権者の側に立てば、会社がまだ破産していない以上、払って貰えると思うのも当然です。
だから、社長や役員に電話を何度もかけてきます。
場合によったら、自宅を探し出して、自宅にもやって来られることになります。
法的社会的な責任をきちんと果たさないではおられません。
会社をそのままにして、自分だけ破産や再生で救われる道を撰ぶならば、腹をくくって、債権者の方々全員に頭を下げ、礼を尽くしてご理解いただけるまでお詫びするくらいの覚悟が必要だと思います。