新司法試験の合格者発表がありました。
新聞記事に「試験が楽になったわけじゃないけど…」なんていう合格者のコメントがありましたが、やっぱり昔と比べたら楽にはなっていますよ。
違った苦労は増えたのかも知れませんが、昔は、何をしたらよいのか、どうやったら合格できるのか、先の見えにくい試験でした。
現在は、合格者が大増員され、法科大学院、予備校等の教育機関での教育も充実し、法務省の求めているものもある程度わかるようになっています。
いずれにしても、とにかく合格者の方、いずれ法曹界に加わって来られる方々にはおめでとうと申し上げたいと思います。
新聞には、弁護士業界の就職難がこれから始まるようなことも書いてありましたが、もう既に始まっていると思います。
就職できない人が100人を超えているという話は何か月か前にありました。
だから、これからはいきなり独立する人も出てくるのではないか(ただ、弁護士会の入会条件が弁護士の推薦人2名必要だから、事実上無理か?)と思います。
9月に入り、新しく弁護士登録された方々が弁護士会や裁判所に来ています。
そんな後輩の方々には、わたしが大先輩からいただいた「小さな事件を大切に」というお言葉をお伝えしたいです。
最近、登録まもない方が相手についている事件をいくつか扱っていますが、気になることが、「小さな事件」の扱い方です。わたし自身もたいそうなことは申し上げられないのですが、やっぱりこれって大事なことです。
訴額が小さな事件や、圧倒的優位な事件にも絶対に手を抜いたらいけません。
「小さな事件を大切に」という言葉を思い出し、お受けした以上は丁寧に処理していかなければなりません。
訴額が小さくても、そこで丁寧に仕事した経験は生きますし、よい仕事は評価を高め、次の仕事につながります。
また、見かけの優位な事案でも、丁寧に調査していくうちに、実はそうでないとわかることもありますし、優位にあぐらをかいて散漫な主張をし、証拠の選定を誤るならば、少なくとも訴訟が遅延しますし、場合によったら大どんでん返しも起こります。
自分自身、改めて心したいと思います。