「ポスト・イット知的生産術」(西村晃、メディアパル)
はじめから体系的な知識はない。
~著者は言います。
殺し文句ですね。
いろんな事象のなかから、ひとくくりになるものをピックアップして、ひとくくりの基準や視点を示してくれる人は感謝されます。
体系的な説明を得ることにより、法則や道筋がわかり、新しい発明や将来の世の中や人の動きが読めるようになるからです。
雑然とした、混沌とした膨大な情報を体系的に整理することで生活も便利になるし、ビジネスも生まれます。
はじめから体系的であるわけはなく、偉大な先輩たちの業績なんですね。
著者の言葉は当たり前のことを述べただけですが、大切なこと。
偉大な先輩たちも、体系化するまでには、きっと膨大な情報を集め、整理し、考えたに違いないということを、わたしたちは忘れがちです。
彼らも人なり、我々も人なり、です。
何かを変えてみたい人、何かを生みだしたい人、何かをなしとげたい人は、まずはここから一歩を始めるべし。
情報を集め、整理し、捨てて、情報を体系化し、法則やコツをあぶり出す。
天才ならね凡人は、情報の集め方、整理のしかた、捨て方、から学ぶべし。
この本は古本屋で見付けましたが、とてもよい刺激を受けました。
著者は元NHKアナ。あまりに育ちや家柄を誇る上司や仲間らに、反発したり、自然とみについた態度や有形無形の力を認めざるをえないという思いを持ったりしながら、最後は、「誰にも平等に与えられた時間という資源を最大限に活用するしかない」と気付くにいたったという、元気を分けてくれるような話もあります。
こういうお話は雑誌のノウハウ記事にはあまり載らないので、この本を読んでみて本当によかったと思います。
わたしも、もう人生、折り返し地点を過ぎました。
しかし、まだまだ知恵が足りません。もっともっと知りたいし、最後には何か世の中に役に立つものを遺したいと思います。
自分の名前は消えても、何か人の心が軽くなり、明るくなるものが遺せたら、そんな何かにちょっとでも関われたならば幸せです。
そして、もう少し、少なくともあと2~3年はじっくり情報収集と勉強です。