以前、借金整理についての考えをまとめたとき、「借金整理については理論的な問題が少ない」と書きました。
過払金返還の問題については、やや訂正した方がよいかも知れません。
論点自体は多くないのですが、事案によっては、なかなかおもしろい問題が出てきます。
わたしは、殆どの問題が決着済みかと思っていたのですが、債権者側もいろんなことを主張してきます。
わたしの事務所でも過払金事件はいくつもあります。
大きなところでは、1社当り700万円超、1人当り2500万円超の返還も経験しました。
今日は、30万円超という案件ですが、先の最高裁判決(第三小法廷平成19 年02 月13 日判決)の射程範囲をめぐって、業者と争いになっている案件があります。
業者の言い分に対して、どう答えようかと考えました。
その結果、最高裁判決の射程範囲について考えがまとまりました。
意外に、これまでの処理方針に影響は出ないですね。
小さな積み重ねが、大きな事件でも役に立ちます。
どんな事件でも、デッドロックに当たったとき、相手方から予想外の主張が出たとき、そこできちんと対応していく。すぐに答えが出なくても、何らかの方向性は決まるものです。