先週、愛知県弁護士会「栄法律相談センター」(http://www.aiben.jp/sakae/index.html)に相談員で出ていたとき、合格年度の近い(1期違いだと思いますが)女性弁護士に偶然会いました。
「栄法律相談センター」は、名古屋市中区栄の「中日ビル」の3階にある、愛知県弁護士会の直轄の法律相談所です。(サラ金、クレジット相談が、無料になったのはよいことです。)
この「栄法律相談センター」と同じフロアには、本屋さんがあるのですが、その女性弁護士とは、法律相談の合間に本屋さんで本を探しているときに会いました。
彼女も本が大好きなのですね。たくさんの本を抱えてレジに向かう途中でした。
さまざまな本、専門外の分野の本がたくさん。
「はははは、本屋さんに来ると、知らない間にこうなってしまうんですよ。」と苦笑していました。
わたしも、同士に出会って、うれしくなってしまいました。
彼女が、抱えていた本のなかには、文章作法(エッセイ、小説の)に関するものがありました。
わたしも、20年くらい前に井上光晴さんの「小説の書き方」(新潮社)を読みました。
一時は、小説家にあこがれたこともありました。
ふと、また小説が読んでみたくなりました。
わたしが好きだったのは、純文学系の作品。
芥川賞系、です。
学生時代は、特に芥川賞受賞作品を読んでいました。
その中でも、「夏の流れ」で芥川賞を受賞した、丸山健二さんが大好きでした。(注:この作品は1966年受賞作品ですが、友人の勧めで読み、以後丸山健二さんのファンになりました)
それを思い出し、また朝日新聞の書評で、おもしろそうだと感じた、丸山健二さんの最新作、「落雷の旅路」(文藝春秋)を買いました。
家に帰ってから、アマゾンの書評を読むと、なかなか手厳しいですが、その文章は懐かしく、心地よかったです。(ただ、アマゾンの書評に書かれているように、昔のようなキレがなく、やや文章が重たくなっていました。朝日新聞の書評は、『贅肉をそぎ落とした文章』と絶賛していましたが、はずれ、です。「夏の流れ」、「シェパードの9月」のような、キレがない。わたしの大好きなマルケンにしては、やや贅肉の付着しすぎた『重い』文章でした。でも、イイ感じ。)
「落雷の旅路」のなかでも、まだ1作しか読んでいませんが、これから読んで行きます。
昨日の新聞の書評で、故木下恵介監督の本が紹介されていました。
また、そういう系統の本も読んでみたくなりました。
わたしには、学生時代シナリオライターを目指していた友人もいました。彼は今は仙台にいて公務員をしていますが、今も創作をしているのかどうかわかりません。
新聞で紹介されていた(と思う)、長谷部日出雄さんによる、「天才監督 木下惠介」が読みたくなりました。木下監督のシナリオ創作能力の秘密に迫れるかもしれない、などと思っています。
それと、長谷部日出雄さんの、「桜桃とキリスト—もう一つの太宰治伝 」も読んでみたいです。
マルケンの「落雷の旅路」を読み始めて思うのですが、(マルケンとは、学生時代の友人が丸山健二さんを称して、そう呼んでいた、尊敬と愛情を込めた呼び名です)小説はいいものですね。
自分の心と対話しながら、作者と、主人公や登場人物と対話しながら読んで行く。
自分の人生や命が広がって行き、大きなものとつながっているという、不思議な感覚が味わえます。