損害賠償請求が認められるには、①不法行為・債務不履行、②損害、③相当因果関係、が必要だといわれている。
訴状では、なんとなくそれぞれが記載され、もっともらしく体裁が保たれていることが多い。
しかし、その後の準備書面になると、自分が、一体どの要件について論じているのか、焦点が合っていない書面に出会うことがある。
原告側は、被害者だ。
被害者は正義の側。
だから、その代理人は、正義の味方。
そんな思いからか、はたまた、「裁判所はわかってくれるはず。」という甘い観測からか。
正義の味方力、情熱だけでは、冷静で公平な第三者である裁判官を説得などできない。
「これはひどい。」「気の毒だ。」と、理はわれに、正義はわれにあり、という案件ほど、冷静に、法律要件ごとに丁寧に論じていかないと、依頼者に申し訳ない。
要件事実といって、法律要件に当てはまる事実を、主張する。
関連する証拠を提出する。
裁判所に、法律要件に当てはまる事実を認定頂く。
これが弁護士の仕事。