損害賠償請求事件は、弁護士の仕事の中でも「華」といえるもの。
被害者に寄り添い、損害を回復する。
加害者の側に立って、適正妥当な損害賠償となるよう調整する。
どちらも正義の実現のための仕事。
損害賠償請求の根拠は、不法行為、債務不履行がある。
不法行為は、契約関係のない者の間で起こった権利侵害が対象。
債務不履行は、契約関係のある者の間で起こった約束違反による権利侵害が対象。
どちらも、対等な私人間の問題。
そして、だからこそ、「損害の公平な分担」が主題。
ここで、「損害の公平な分担」には、①行動の自由保障と、②損害の回復が要素となる。
この両者の調整が、日本国憲法の最大の目標とする、「個人の尊厳」(13条)確保に不可欠だ。