弁護士には、納期のある仕事と突然相談即納期の仕事があります。
納期のある仕事はある程度コントロールすることができます。
納期が間近も仕事が突然入ることがあるのですね。これも弁護士の扱う「事件」という仕事の性格上避けられないことです。
ただ、ご依頼者のためにも申し上げたいことは、何かの期限だとか、問題がやってくることがわかっているような場合には、早めに専門家にご相談される方がよいです。
土壇場になって、慌ててとにかく、えいやっとやってしまう。誰かの紹介で、あるいはちょっと名前だけ知っている専門家に任せてしまうことはよくあるようです。
たいていの問題はそれでうまく解決はできます。
しかし、ご依頼者本人の視点に立ってみると、問題の意味が十分に理解できないまま、専門家との信頼関係が築けないまま、手続や制度を利用しながらも手続や制度の主体ではなく、疑いや不安があるままに、客体として一時期そこに存在しただけですべてが終わってしまう。
そんなことも少なくないのではないでしょうか。
なんとなく、解決に不満が残ってしまう、ということになりかねない気がしてなりません。
何かの期限だとか、問題がやってくることがわかっているような場合には、一般論としてでも身内の相談の形ででも結構ですから、無料相談会や30分当りいくらといった有料相談をいくつかされてみて、問題の概要やおおまかな対策ないし戦略を把握し、さらに信頼関係が築けそうな専門家を捜しておくことがよいと思います。
受任する側からしても、十分にお話をお聴きする間もなく、とにかく即事件処理に着手して進めていかねばならないときには、「大丈夫かな、信頼関係を形成維持できるかな。ご理解いただけているかな。」という不安を抱えながら処理して行きます。
期限や問題に追い込まれて、やむにやまれず、お互いがいささかでも不安を抱えて仕事を進めて行くよりも、信頼できる間柄で期限や問題を追い込んで行く方がよいに決まっていますからね。