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愛知県名古屋市中区丸の内 弁護士加藤英男の日々是精進日記(ツィッター:@BengoshiKH)
by bengoshi_358
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生きるのが辛いのは決してあなたのせいではない。
「生きるのが辛いのは決してあなたのせいではない」加藤諦三著 PHP

題名の責任転嫁的な響きから、ずいぶんと長い間、放置していた本。
なぜ、買ったか?
それは、わたしの中学、高校時代の「心の恩師」の本だからです。

わたしも、一人前に悩む少年でした。
くよくよ悩む。アップダウンが大きい。
右手に固く握ったナイフを左手で右手の指を1本、1本はずすようにして、引きだしにしまい直したこともありました。
そう、誰にだってそれくらいのことはあるでしょう。

そんな少年時代、偶然に深夜放送で聴いたのが加藤諦三先生のトーク。
聴き入るうちに、みるみる元気が出てくるのがわかりました。
一人ぽっちだと思っていたけれど、こんな人もいるんだな。
こんな大人もいるんだな、と励まされました。
加藤諦三先生の本も読んでみました
それから、気持ちがくじけそうになったときは、いつも加藤諦三先生の本を読んでいました。

そんなこんなで、なんとか少年期の難しい時期を乗り越え、どんどんといろんなものにチャレンジしていきました。
加藤諦三先生の本も読まなくなりました。
大学生になったとき、別の深夜放送のDJだったかが、加藤諦三先生をパロって、絶叫してました。
「希望はあなたを捨てません。あなたが希望を捨てたのです!」
わたしは「ふふん」と苦笑いしてしまいました。

20数年、ご無沙汰でした。
本屋で懐かしい著者名を見て、買ってしまいました。
そして、ずーっと買ったのも忘れていて、先週末急に手にして読み始めたのですが、まさにドンピシャ!
今のわたしに必要な本でした。

わたし自身というよりも、わたしの依頼人や相談者にもっとも必要だと感じました。


一生懸命努力していても、報われない。
身近な他人に食われている。
時には家族であったりする。
その心理的な分析、問題提起がこの本に書かれています。


以前、わたしは、かつて今と同様複数の離婚事件を常時抱えていましたが、依頼人の多くは女性でした。離婚事件の9割以上が女性側でした。
男性の身勝手さ、征服欲、浮気心など、男性心理は十分理解できるし、悲惨な女性の状況も同情できます。そして、事件数をこなしていくうちに、肉体的、経済的にハンデのある女性がどれだけ傷つきやすいか、時に真意に反して迎合的にふるまってしまうかを知り、女性側の事情も理解できるようになりました。

しかし、最近は、というかこの1年、男性側の相談や依頼が俄然増えてきました。
しかも、その内容たるや、女性側からDV被害を受けているというものです。
今年2件の事件を処理し、11月に入ってからは新たに3件のほぼ同趣旨の相談を受けました。
女性が経済的にも社会的にも男性と対等になってきて(もちろん不完全、不十分でしょうが)、「男性だから」とか「女性だから」とかいうステレオタイプ的な思考は捨てなければならないなと感じています。

確かに、肉体的には未だ圧倒的に男性が優位でしょう。
しかし、有形力は、たとえ夫婦間と言えども、行使されれば犯罪です。時代は変わり、男性側にもこのことは十分理解されています。行使できなければ、威力、威嚇力はありません。
夫婦間の力関係は、男性が「警察でもなんでも呼んでこい!」という暴力的な人でないかぎりは、腕力ではなく、別の要素で優劣が決まってしまうのだな、と感じていました。

切々と訴え、時に涙する男性を目の前にし、これまでの経験から、それらの方々が決して嘘を言われてはいないことは十分に信じることができます。
しかし、「なぜ?」という疑問も頭の隅っこに残ります。

この本は、その「なぜ?」に見事に答えてくれました。

もちろん、この本で分類されるとおりに、すべての夫婦、人間を明確に分けることなどできません。人は変わっていくものですから、あるときは「きずな喪失症候群」の症状が強くてもそれが治まりつつある人もいるでしょう。また、「燃え尽き症候群」の場合も同様。

ただ、悲しいことに、ティピカルな「きずな喪失症候群」の症状を呈し続ける人もいます。そして、「きずな喪失症候群」の人々のえじきになる「燃え尽き症候群」の人々がいるのだな、と感じます。

機会を別に譲りますが、夫婦間で、配偶者から「食われてしまっている」と感じるのであれば、それはその人が「燃え尽き症候群」にかかっている可能性が大であり、配偶者はまず確実に「きずな喪失症候群」にかかっているものと思われます。

では、いかにしたらよいのか。
今この本を8分目程読み終えましたが、加藤諦三先生は、「逃げてしまえ!」と書いておられます。
そう、それが一番。
ただ、わたしは、別の考えも持っています。

夫婦を始め、すべての人間関係は、そこから何かを学ぶようにという天の配剤であると思うのです。
ですから、自分自身が何も変わらないままで単に「逃げてしまう」ならば、真空を嫌うのが自然界の法則ですから、きっとまた別の「きずな喪失症候群」の人々に食われてしまうのがオチなのです。

そう、確かどこかで加藤諦三先生も、「自分がまず変われ」と書かれてましたね。「燃え尽き症候群」を克服するのが第一。
そして、相手にはっきり「No」と言う。それでもダメなら、「逃げてしまえ!」だったかと思います。

これから加藤諦三先生の本を最後まで読み、また「きずな喪失症候群」、「燃え尽き症候群」の特徴について、加藤諦三先生の説にしたがって簡単にご紹介してから、再度わたしの考えをまとめてみたいと思います。

…今日は、もうかなり睡魔がやってきています。
明日に備えて休みます。

この本は、男女問わず、「何か人間関係がおかしいな」と思われるみなさんに考えるヒント、抜け出すヒントをくれると思います。
今、「なぜだろう?」「どうしてなの?」と悩まれている方々、どこかでこの本を手に取って見て下さい。
まずは、「敵を知る」、そして「自分を知る」ことです。

そう、夢を、希望を諦めないで。
相手と向き合い、自分自身の悩みや弱さと闘わなければ、何も変わりません。
敵は思ったより大きくはないのです。
まずは敵の実体を知りましょう。
またあなたはあなたが思っているよりも小さく弱い存在ではありません。
自分自身を大事にしましょう

希望はあなたを捨てません。
いつだって、あなたが希望を捨てているのです。


明日もがんばって行きましょう。いえ、がんばって生きましょう!
by bengoshi_358 | 2005-11-29 00:25 | 読書録
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