わたしは以前は「顧問弁護士」という制度は嫌いでした。
お布施のように毎月顧問料を支払ってくださる企業、個人(例外でこれまで一定期間だけ顧問をという個人が2名いました)は経営的にはありがたいです。
でも、それでは飲食店や風俗店の支払う用心棒代、つまり「みかじめ料」と同じような感じがしていたのですね。
でも、このごろ予防法学、事前・早期の法律相談こそがむしろ重要なのではないかな、と思うようになりました。
そうすると、顧問弁護士というのも、良い制度なんだな、と思います。
いざ、戦じゃ、となってからでは遅い。
経済的にも(含む:時間的にも)、精神的にも、大きな負担となってしまいます。
そして、闘ったメリットが案外少ない。。
やはり、日常的に法律専門家の意見を聴けるような体制にしておくのがベストでしょうね。こういった実務法学となると、教科書だけでは足りないんです。ケースバイケースであり、判例、裁判例の射程距離の判断も必要になってきます。裁判実務もよく知った弁護士に相談されるのが早いし、安心です。
裁判をして勝てる確率が大ならば、強気で交渉できますし、いざというときに完璧に近い初動、第一波の攻撃ができます。それだけで、相手が「まいった!」と言ってくれるケースだってあるのですね。
もちろん、そうやって日常的に弁護士に意見を聴いて、社長あるいは法務担当者が法律的な発想を磨いていくならば、自分自身の判断力もどんどん増してくるでしょう。やがては、本当に困った時だけの相談だけでよくなります。
そうして、顧問契約は発展的解消となります。
僭越ではありますが、「卒業」ですね。
弁護士としても、本当に困ったときだけ相談されるとしても、以前顧問契約を結んで頂いていた企業であるならば、事情も勝手も知っているし、事件として受任しやすいです。
だから、本当に困ったときだけ相談に行っても、弁護士が嫌がるはずはないのです。
もっとも、顧問契約というのも重い感じがしますね。
顧問契約の期間をできるだけ短くしてみるのもよいですね。お試し顧問みたいな感じです。
最近は、わたしはあまり好きではないのですが、テレビで「弁護士軍団」が出演し、弁護士も身近になりました。「これって大丈夫かな」とか「ちょっと変だよ」と思うことがあったら、お近くの法律相談所や弁護士事務所をお訪ねください。