「魂の演技レッスンCLASS14・人物の性質を掴む」(ステラ・アドラー)
「脚本には、『これを世界に伝えたいんだ』という理想やアイデアが含まれている」
我々の人生の脚本のうち、予め決まっている部分というがあると思う。全てのことに意味、メッセージがある。
生まれ出ることは最大の表現行為であり、世の中に伝えたいメッセージを持って生まれていると思う。
そのメッセージを一生かかって探りつつ、それを実現する。
「演劇は、世界に向けてメッセージを送る手段」
人生がまさにそれだ。
人は死んだら、情報だけになるのだから。
「相手に対する態度を決めるには、見るべきものを先ずはしっかりと見て認識する。ぼんやり見るのではなく、具体的なアクションを取りたい衝動にかられるくらいきちんと見る」
生きていくということは、決断、決定、選択の連続だ。
選択を誤ることで直ちに命に関わるという場面は、そう多くはない。
しかし、選択に傾向がある場合、本来の道を外れて行ってしまいかねない。
自分は何がしたいのか、何が伝えたいのか。
表現する前に観察だ。
観察の中から気づきが生まれ、新しい、別の感情が生まれる。
本章は、役柄の、人物の性質を理解して演じることを教えているが、世の中での自分の役割、性格を理解して生きている人は強い。
大まかで漠然としていてもよいから、自分の役割を考えてみたらいい。
若いうちは変わって行って当たり前。
その時、その時に「これだ!」と感じた役柄を一所懸命演じて欲しい。
すべては相似形。
一つの役割を真摯に生きることは、すべてに通ずる。
何処で何がモノになるのか、わからない。
わからないから面白い。
焦ったり、慌てる必要はないから、今ここ。
今ここを生きる。
観察し、感じ取り、調べ、理解して、態度決定をする姿勢を持つ。
理解し難くても態度決定するせねばならないこともあるが、それもそれほど多くはない。