「第六章 時間活用術」 夢を実現する技術・藤沢晃治著
著者は、前章で、計画を立てて淡々と走り続けることを勧めた。
ここでは、「時間切れ」にならないための工夫を紹介してくれる。
結局のところ、「プライベートな時間」を捻出し、「隙間時間」を活用するという、時間活用術の王道を行くしかない。
時間を作る、時間を活用する。
どちらも、意欲することから始まる。
能力が同じなら、より長く、より効果的に勉強し、準備し、練習した者の方が良い結果を出しやすい。
能力が劣る者が能力に勝る者よりも良い結果を出すためには、能力に勝る者のよりもより長く、より効果的に勉強し、準備し、練習することが必要だ。
効果的に、という点は、やってみないとわからないし、やって行く中で、考え、修正していくことだし、あまりユニークな方法に効果があることは多くない。これまでの歴史がある事柄であるならば、その歴史により磨かれた定番的な方法、王道的な方法に勝るものはまずないし、考えられるのは、王道的な方法を自分流にアレンジすることくらいだ。
我々が目指すべきは、方法論の確立ではなくて、結果なのだから。
著者は、早朝時間から職場に出て、やらねばならない仕事を効率よくやって、無駄な残業をしない、無駄なおしゃべり、酒食のお付き合いをしないことで、帰宅時間を早めて勉強時間を作っていたという。
また、通勤時間、休憩時間などの隙間時間にも勉強したという。
それと、メモ帳。メモ魔になること。思いついたアイデア、疑問、確認事項、やるべきことなど、何でも書いて行くという。
たしかに、メモをみて行動することで、行動前のためらい時間がカットできる。
私は、高校時代、同じようなことをしていた。
できるだけ早起きして、早くに学校に行く。
誰もいない教室で勉強する。
邪魔する奴らがくる頃には、別の場所で勉強する。
通学時間には、テープレコーダで単語や構文の暗記をした。
また、女の子が使うような日記帳(当時、ハードカバーで立ったまま読み書きできて安価なものはそれしかなかった)を日々持ち歩き、全教科の気になる情報、間違いメモ、アイデア、予定などのすべてを書いて、始終眺めてた。可愛すぎる日記帳を茶化す友人には、『交換日記だから見るんじゃないぞ』と言って自慢した。自分との、教科書や参考書の著者との、歴史上の偉人や発明家との、微生物や、天体や、原子数式との交換日記だった。
今は、モレスキンだったり(学生にはダイソーのモレスキン擬きでも十分だろう)だったり、スケッチブックだったりするが、似たようなことをしている。
この他に著者が勧めるのは、「気分転換も隙間時間に」ということだ。
これは素晴らしい。
好きな映画をテレビで録画撮りし、隙間時間に少しずつだけ観るのだという。
時間は惜しいが、気分転換もしなければ効率的ではない。頭も休ませねばならないからだ。
私は、学生であれば、他教科の勉強が気分転換になると思う。
それに、資格試験も、一気に畑違いのものを複数狙ったらどうだろう。
一つだけ本命で、その他は難易度が低い、他分野のもので、「合格できたらうれしいかも」という程度でやってみる。気分転換で、かつ、資格にもなったら儲け物。残念ながら、これは今思いついたもので、私自身はやっていない。けれど、これからやってみようと思う。
人生の時間は短い。
学生時代はあっという間。
人生も、学生時代も楽しんだ方がいい。
本当に楽しいのは何かにチャレンジしている時間。
どんなささやかなチャレンジでもいいから、今から始めてみよう。