「B あなたの意識」1-B 章を読む
「潜在意識により、私たちは過去の経験に生かされているけれども、過去は常に現在の経験によって改良されながら私たちの未来を作り出している」(トーチェ)
潜在意識は我々の顕在意識や行動を規制するが、顕在意識や行動もまた潜在意識にフィードバックされて、潜在意識も改良され、新たな思考(顕在意識)や行動を生む。
これがこの章の主題だ。
この1-B章は、1-A章での信念による具体的結果の紹介を承けて、潜在意識が信念の母体、信念は潜在意識の延長のようなものであることに触れる。
そして、潜在意識はひな型となって一定のパターン化された行動と結果を繰り返させることを説明する。
前章では、非常識な信念が、一般的には想像できないような(計算では説明できないような)結果をもたらした具体例を説明し、この章では、信念(=潜在意識のうちに存在し、自覚的に認識された考え方のパターン)とその母体である潜在意識が一定のパターン化された結果を生み出して行くことを説明する。
潜在意識は、幼少の頃の体験や環境、周囲の仲間や大人による教育などがレコードの溝、CDに記録するように無意識のうちに刷り込まれて形成される。
しかし、それまでのものとは異なった体験や環境、教育を経験することで、潜在意識も改良されていく。
新しい経験が潜在意識の一部になっていく。
(頑固に凝り固まり、自分独自の見方で物事を見て評価する人の場合は、どんな経験をしても変わらないのだろうが)
自分では認識し辛い無意識の部分、潜在意識が現在の自分の考え方や行動を規制しているということは常に意識しておくべきだ。
さして深く考えもしないで行う思考、行動は、潜在意識によりパターン化されたものであり、今後も同様の思考、行動とは異なった思考、行動を取れることは少ない。つまり、これまでとは異なる結果を期待できないということになるからだ。
現在の思考、行動を変えないで、これまでとは違う結果を期待することには無理がある。
これまでとは異なる結果が欲しいなら、考え方を変え、行動を変えなければならない。新しい考え方、行動をパターン化して習慣にする。
これまでと同じ結果しか生まない思考や行動パターンを捨て、期待する結果が得られるような思考や行動のパターンに変えることだ。
これまでの結果を分析し、自分の思考や行動パターンを認識するきとは、期待する結果が得られるような思考や行動を行うのに役立つだろう。
そして、期待する結果が得られるような思考や行動をパターンとして定着させるためには、いくらか努力が必要だ。ここにいくらかの努力をしておけば、その後楽になり、投下した努力の何千倍もの苦労の節約ができる。
「自己催眠や自己暗示を併用し、自分が抜け出そうとしている古い習慣に逆戻りするのを防ぐために意識的な努力をする」
「デューク大学のホーネル・ハート博士は、この方法を使って成績や、能率や、態度をいかによくしていったかを示した」
「エミール・クーエの有名な研究もここで触れねばならない」
「好ましいパターンと一致するように目標を定めて努力すれば、強い力で新しい意識をつくり出すことができる。積極的な言葉は特に効果的だ」(トーチェ)
鏡の暗示、寝起き寝入り時のイメージング、積極的な言葉。「◯に、俺はなる」と口癖に。
潜在意識がどんなかわからなくても、とりあえず好ましい方向に変化させていく努力をする。毎日ほんの小さな努力でいい。
必ずそれが大きな苦労の節約になる。