「プロローグ」
「ある技術を徹底して身につけた人は、それを他のことにも使える」(西谷昇二)
今日は、代々木ゼミナールのカリスマ英語講師、西谷昇二先生の「壁を超える技術」(サンマーク出版)から。
彼は、偏差値30くらいの人を偏差値70にすることができるという。
彼には、受験生に受験英語を解く技術、スキルだけではなく、生きるスピリットまでも伝授しているようだ。
「今目の前にある壁だけではなく、これから何度でもぶつかるであろう壁。それに立ち向かうための方法と折れないハート、強い心を持って欲しいと祈るような気持ちで授業をしている」といいます。
西谷先生は、国際基督教大学卒業。
とても優秀であることには間違いない。
でも、だからといって全てがうまくいくほど甘くはない。
卒業後も就職しないでジャズ喫茶に文学書に詩集をもって入り浸っていた時代があったといいます。
その後、結婚を機に一念発起。
予備校講師として頭角を表すようになっていかれたそうです。
誰にも春はくるものです。
なんとか自分一人生きていくだけのことはできる世の中にはなりました。
労働環境、住環境、その他様々な条件に縛られながらでも、なんとかやっていけます。
でも、誰かの責任を引き受けることになったら、だらだら惰性で生きていくことはできません。
西谷先生は結婚でした。
誰かを幸せにしたいという思いは強いものです。
でも、同時に、自分が幸せではない、不足しているものがあることにも気づくわけです。
誰かを幸せにするためには、自分一人でも幸せな人でなければなりません。少なくとも、ある程度幸せの条件を手に入れていなければなりません。
現代の幸せは、知識と想像力、好奇心に裏打ちされた創造的知性なくしては実現することは難しいと思います。(かつては、腕力や長時間労働に耐えられるタフさでしたね)
知識、方法をコピペして流通させるだけで評価される時代は終わりました。
マニュアル対応も一定の効果はありますが、それが標準になってしまえば競争力はありません。
技術とハート、マインド。
どれも高くしておくことが何かを実現する、幸せはでいられる確率を高めてくれるのではないかと思います。
西谷先生は、ご自身で英語講師としての技術を高められ、「今目の前にある壁だけではなく、これから何度でもぶつかるであろう壁。それに立ち向かうための方法と折れないハート、強い心を持って欲しいと祈るような気持ち」をもって一所懸命に教えてこられました。
利他の心というのでしょうか、そういったハートが人を大きくして行くのですね。
これが技術を磨く動機付けにもなり、結果的に自分に返ってくる。
その実例を見せていただいたようです。
どんな仕事でも同じ。
その仕事を通じて誰が幸せになりますか?
本当に心からその人が幸せになることを期待し、望みながら仕事をされていますか?
学生のみなさんは、自分がやりたいことをして、なりたい人になって、幸せにしたい人たちを思い浮かべることができますか?
家族でもいい、あなたが将来発明した製品を使う人々でもいい、治療してあげたい患者さんでもいい、そういう他者を意識しながら勉強できたら、より大きな力が湧いてくることでしょう。
誰かを幸せにしよう。
今からできることをしよう。