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愛知県名古屋市中区丸の内 弁護士加藤英男の日々是精進日記(ツィッター:@BengoshiKH)
by bengoshi_358
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損害金として認めらるのは追加工事費用全額ではない
注文者X:工事を1000万円で発注。
請負人Y:工事を85%終えたところで放棄。

注文者X:残りの工事を別の業者Zに発注、工事費用として300万円払う。また、遅れたたために生じた損害が50万円あった。


原審は、Xの損害金として350万円(300万円 + 50万円)を認容した。
(請負人Yの注文者に対する報酬請求につき、850万円認容)


ところが、最高裁はこれではいけないという。
最高裁は、Xの損害は200万円だよ、という。

どういうことか?

Yは、85%しか工事を終えていないので、その割合でだけ報酬を請求できる。
そこで、Y → X の請求では、850万円を認容した。
これはこれでいい。
150万円は、当然だけどもらえない。
Xとしては150万円払わずに済んだ。当然だけど。
(もともとXは1000万円払うつもりだったし、多分、1000万円かかる仕事だったのだろう)

Xとしては、残りの15%を仕上げなければならない。
15%仕上げるには、150万円は覚悟すべきだ。
残りの15%にはそれだけの価値はあるし、そう予想していたはず。
完成による利益は発注者が享受するのだから、当然発注者であるXが負担するべきだ。

とすると、残り15%仕上げるために、Zに対して300万円払ったとしても、本来的には150万円ではXは当然負担べきであったので、この150万円は損害と評価してはいけない。
とまあ、こういうこと。

Xの損害は、Zに払った300万円から本来的には15%の残りの工事のために支払うべきであった150万円を引き算した金額だ。
それと、遅れによって別に50万円の損害が出たのなら、それも払わなければうけない。

これを合計して、200万円。


これを法律相談で説明するようにもっと分かりやすく言うと、こういうこと。


で、Yの途中放棄があって、そのせいで、結局においていくら払ったの?
整理して考えてみよう。


・Xは、Yに対して、85%相当分の850万円を支払った。
(1000万円ではない。結果において、裁判所は、85%相当分でいいとした)
・Xは、Zに対して、300万円支払った。
・Xは、これとは別に、遅れたせいで50万円損をした。
<合計>850万円 + 300万円 + 50万円 =1200万円

では、Yが初めからちゃんと工事完了していたら、いくらで済んでいたのかな?
言わずもがなの、Yと約束した1000万円。

負担したのが1200万円。
本来払わなければいけなかったのが1000万円。
引き算で、200万円。


…と、こういうことだ。
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by bengoshi_358 | 2011-06-02 17:34 | その他法律関連
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