「心の温かい人は相手を受け入れるが、心の冷たい人は相手を所有する」
「所有するということは、自分の原理を押し付けるということである」 (加藤諦三・自分を嫌うな)
このところ諦三先生の本は常に脇にあります。
なんといっても20冊近くまとめ買いしていますしね。
『自分の嫌うな』は一気に読めず、少しずつ読んでいますが、決め台詞のような表現がいくつもあって、付箋をいくつも貼ってしまいました。
誰かを支配下に置きたいという、屈折した心理。
自身が支配され、あるいは無視されてきた経験で傷ついた自意識、自己評価を、より弱い自我の人、自分に助けを求めてきた人を貶めることで回復させようとする。
上司と部下、恋人、夫婦、親子、兄姉と弟妹、リーダー的存在と追従者との間で、そういった支配被支配の関係は起こるといいます。
もしかしたら、カウンセラーや専門家と相談者の間でも起こりうるものでしょうね。
「盲人が盲人の手引きをする」という言葉が聖書にあったかと思いますが、諦三先生によれば、「心に傷を負った」より強い自我をもった人が「心に傷を負った」より弱い自我をもった人をコントロールしたくなり、「心に傷尾負った」弱い自我の人は、「心に傷を負った」より強い自我の人に依存して崩壊していくということになってしまいかねません。
問題に困惑し、悩み、相談に来られる方の中には、依存する心理が見て取れる方もいないではありません。
助言をすれば助言のとおりに、たとえそれが相談者の本心、本意ではないとしても、従われようとされる方も時折いらっしゃいます。
私は必ずしも心の温かい人間だとは思いませんし、「心の温かい人」「心の冷たい人」とすべての人々が2分できるとも思ってなどはいません。
しかし、私は他者にコントロールされるのは好きではありませんから、同じように、他者に対しては、たとえ助言の求められたとしても、ご本人の本心、本意を自覚いただき、それを実現するにはどうしたらよいかという観点から助言をさせていただくべきだと思っています。
それが自分の価値観と真逆であったり、反社会的、あまりに反道徳的でない限り、ご本人の本心、本意が実現する手助けをさせていただきたいと思っています。
今日は、やはり心理学者で、人間心理のダークな面をも取り上げられる内藤宜人先生の本を買いました。
すべては表裏。
裏のダークな面をも知ることで、光のありがたさもわかりますし、光の方を向き、光をしっかり追求していくべきだともわかるのではないでしょうか。