軍隊式教育は、かつて様々な分野を席巻しました。
高校教育、スポーツ界、ビジネス界。
今でも、スポーツ等、一部では有用とされています。
数日前に、居酒屋チェーンの社員教育の厳しさと成果を紹介するテレビ番組がありました。
まさに、軍隊式教育。
そして、それが有効に機能しているように描かれていました。
きびきびした動き、マニュアルの徹底、厳しい指導と批判、反省、改善が顧客満足と売上に繋がるという物語になっていました。
米国発祥のビジネスマン向けの自己啓発セミナー、実は、軍隊教育がベースであったということを知りました。
単なる精神論以上のものであったとは思いますが、軍隊教育が下敷きの軍隊式教育。
苫米地著作で読みました。
ルーティンでミスなく安定的なアウトプットを供給し続けるビジネスマン、選手、児童生徒を生むのには役立った。
ビジネス界では、右肩上がりであったため、ルーティンワークを丁寧に行なっていけば自然と他所以上の成長も可能になった。
選手、児童は、一定の基礎がしっかりした集団を作っておけば、全体としてはそれなりに優秀なチームになるし、自然とそこから抜け出てくる者も生まれるならそれでいい。
それで、一応多くの場合うまく行った。
ただ、ビジネス界は、右肩上がりではなくなった。
もともと、人間は一方的に命令されたり、指図されたりするのを長く続けられない生き物です。
軍隊式教育は、ストレス負荷を掛けてテンション上げて能力を発揮させるという行き方であり、ストレスに耐えられず脱落する人も早い段階から出てくるでしょう。
軍隊は非常時・極限状況において効率的に成果を挙げるために、軍隊教育を行なうわけで、平時を生きる人々には、非人間的な要素があるのではないかと思います。
選手、児童もそうだけれど、一般的に情報の多い開かれた社会になって、押し付けや強制を長く続けることは困難です。
そして、何よりも、軍隊式教育がルーティンワークの精度を上げるには向いてはいても、クリエイティブな分野や違う次元にブレイクスルーしていくには限界もあるはず。
そこで、米国の自己啓発セミナー界の大御所ルー・タイス氏も、自己啓発セミナーの制度設計を見直し、クリエイティブな活動で成果を生み出せる人材の育成、ブレイクスルー能力ある人材の育成にシフトしたといいます。
さて、どんなものが出てくるか、ですね。
劇的に効果があるものであるならば、それは良いことであって、また警戒も必要になります。
悪用する人も出てくるでしょうから。
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