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愛知県名古屋市中区丸の内 弁護士加藤英男の日々是精進日記(ツィッター:@BengoshiKH)
by bengoshi_358
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<   2016年 10月 ( 5 )   > この月の画像一覧
弁護士の仕事は対立する権利の調整を前提とした「権利の実現」。

監修本、次回作は、「債権回収」がテーマ。

債権回収は、貸金、代金、損害賠償金の請求訴訟をはじめ、弁護士なら、日常的に携る仕事。

過去には、借金整理の本を書いたが、弁護士の仕事としては、債権回収こそが、本来の仕事であるように思われているのではなかろうか。

なぜなら、債権回収は、契約その他により成立した債権を現金化する行為であって、いわば、抽象的権利を具体的に現実化する、もっと言えば、「権利の実現」行為だから。

これに対し、借金整理は、契約その他により成立した債権を、一部または全部を無効化する行為であって、「権利の実現」とは、真逆。

国選刑事事件と同様、借金整理の事件を遂行中、「なんでこんな仕事するの?」と言われることがある。

「約束守らない側をなんで弁護するわけ?」

「悪いのは約束守らない側でしょ?」

「弁護士さん、悪い側を助けるの?」というわけだ。

ただ、借金整理も、広い意味では「権利の実現」行為なのだ。

誰かの権利を正当に実現する過程で、義務者において、健康で文化的に生存する環境が破壊されそうになったとき、他者の権利を一定の条件の下で制限する必要が生じることがある。義務者にも、生存権(憲法25条)があるからである。

そういった背景から、困窮し、露頭に迷いかねない義務者を救済すべく、民事再生では債権を一部カットされ、破産では債権の全額をカットされる。

そうすることで、義務者が「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるように、義務者の生存権を実現できるようにする。

弁護士バッジの絵柄は、ひまわりの中に天秤。

弁護士の仕事は、「権利の実現」行為であり、そこにおいて、衝突する権利と権利の調整が必要となる。

権利の実現手段である法律(実体法)や手続(手続法)の規定には、既に、衝突する権利と権利の調整の理念が盛り込まれている。

憲法の理念を思い出してほしい。

憲法の理念は、個人の尊厳を確保することにあり(憲法13)、そのためには、個人の自由と平等を保障する必要があり、個々人に自由権と平等権が保障されている。

そもそも、憲法において、個々人の権利の衝突とその調整は、予め想定されている。

憲法に定めのある「公共の福祉」による制限というものは、そういう意味として理解されている。

また、そもそもが、憲法の定める自由権は、権利である。権利のおおもとである。

そして、平等権は、各々の相違に基づいて、等しく扱われるように要求できる権利である。

実は、この自由権と平等権は、そもそも対立緊張関係にある。

自由権ばかりが強調されれば(過度な資本主義)、平等権の要求が不可避的に生じる(社会政策的要求・社会主義)。

実際に、憲法は、自由権(資本主義)を原則とし、それによって生じる弊害を最小限に抑えるために、社会権(生存権、教育を受ける権利、労働基本権)をも定めている。

このように、権利と権利のバランス維持は、我が国の憲法がよって立つ、立憲民主主義の目的であり、裁判に関わる裁判所や弁護士の使命でもある。

私自身は、弁護士の仕事がそういうものである以上、債権回収も、借金整理も、両方やるのがいいと思う。双方の立場がより分かるから。

離婚事件でも同様、男性側、女性側の両方の立場でやるのがいいと思う。

片方だけしかやらない、やれないでいると、そのやっている仕事のクォリティもなかなか上がらない。

両方やってこそ、それぞれの仕事がよく分かるようになる。

そう思うから、私は、両方やる。

その延長で、債権回収の監修で、これからいくらか刺激を受けそうなので、今後、バランスのため、借金整理本の新しい著者本を1つ、債権回収の著者本をいくつか書いてみようか、などと不遜にも考えている。

できるだけ早く、著者本もご紹介できるよう、努力したい、…と思う。
(監修本と違って、著者本は相当に体力が要るから)


補足: 借金整理本、と書いたが、次回作は、CMで今だにあおりを入れてる、過払い金請求とか、サラ金の任意整理でなく、企業倒産を中心にしたい。

借金整理といっても、私の場合、毎月1件の企業倒産事件の申立をしていた時期もあり、どちらかというと、それと合わせた関係者の破産、再生と個人の住宅ローン破産を中心にやっていた。

そのまとめをいつかやりたい、と思っていた。


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by bengoshi_358 | 2016-10-25 16:46 | 日々雑感
監修本第1弾「署名・捺印の法律問題を徹底理解!」(リーガルスキルサポート研究会・アイバス出版)
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法律実務本シリーズの監修を依頼されていたのですが、少し前に原稿チェックが終わった、その第1弾が発売になるそうです。

「署名・捺印の法律問題を徹底理解!」(リーガルスキルサポート研究会・アイバス出版)

この「徹底理解!」シリーズ、今後は、売れ行きにもよるのでしょうが、あと何冊か予定されています。

また、随時ご紹介させて頂きます。




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by bengoshi_358 | 2016-10-14 13:39 | その他法律関連
求められるしつこさ

昨日は、弁護士は弱腰がふつうなんだ、みたいなことを書いた。

「それだったら、頼む意味ないじゃん!」


そう思われるのもしゃくである。



弱腰と見えるかもしれないけれど、それは、扱う仕事の性質から来るもの。
強引なことはできない、ということ。

その代わり、卓球やテニスのラリーのように、

しとしとと、時にはやや強く降り続く雨のように、


証拠をもとに、しつこく、しつこく追及していくのが、我々の仕事の原則的なスタイル。


声を上げたり、机を叩いたりのパフォーマンスをする同業者は、異例で、異端のポジションにある。




これは、絶対に負けられない。


こんなことは、決して放っては置けない。



そういう事件も多々あるわけで、


そうした時、我々は、裁判官が納得してくれるよう、納得してくれるまで、シャットダウンされるまで、丁寧に、熱意を秘めて、延々と、しつこく、闘い続けていく。


「決してあきらめない」というのが、営業マンの心得だけど、

我々は、クライアントのエージェントであり、営業マンである。


だから、しつこく、がんばるだけ。



「絶対、絶対、絶対、絶対、絶対、絶対にあきらめるな!」(『12番目の天使』オグ・マンディーノ著、坂本貢一訳)


そんな思いを抱いてワープロを叩くのが仕事。



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by bengoshi_358 | 2016-10-11 19:05 | 日々雑感
なぜ弱腰な弁護士が多いのか?

中小企業、個人事業主からの相談の中で、たまに「弁護士は弱過ぎ。もっと強気にやってもらわんと。○○○士の▲▲先生は、やり手だよ。がーっと強く言って、話まとめてくれたよ。」と言われることがある。

行政相手の、特に裁量の幅が大きな許認可に関わることならば、押しの強さによって、結果が出るまでの時間の長短に多少差が出ることもあるのかも知れない。

されど、我々の関わる法律事務は、最も力技が効かない分野。


法の下の平等を徹底せんとする、法原理機関である裁判所の、職務上は常に理性的で、圧力に決して屈しない裁判官を説得する作業を行う仕事。


これは、限りなくクールに行かねばならない。


弱者救済の熱情をさり気なく示すこともあるが、それは、あくまでもトッピングでしかない。

昔は、裁判官にも余裕があって、スキルの不足を熱情でカバーするタイプの弁護士も十分通用した。


私が駆け出しで、スキルが乏しかった頃、急遽受任した仮処分の事件で、書面や証拠がアバウトであったが、必死の熱意を示すことで、裁判官が、「わかりました。では、今すぐ検討しましょう! 先生、時間、大丈夫ですか?」と、午後5時から8時過ぎまで対応してくれたことがあった。

昨今の裁判官は、昔よりも一層多忙で、事件処理に追われている感じ満載だ。


多くの裁判官は、親切に個別対応などしてはくれず、法律に則った緻密でロジカルな説得作業を時間をかけて丁寧に行なえなければ、余程幸運に恵まれない限り、目的地には到達できない。

(事件当事者が考えているほど、物事は、そう簡単には、客観的な第三者である裁判所に理解されない。丁寧に、きちんと、順序立てて説明していく作業が不可欠)


それに、そもそも、いろいろと強引にやる行き方は、ほぼどんな分野でも通用しなくなってきているのではないだろうか。


かろうじて強引な手法が通用している分野があるとしても(多くの場合は錯覚であり、実際は▲▲先生の巧妙な演出ではないか)、いつかすべてが表に暴き出され、かえって痛い目をみることになるのではないか。

日本は、文化国家であり、法治国家が完成しつつある国家であり、国民からの、国家に対する、公平、公正要求が強い。
その公平、公正要求は、対行政のみならず、私人間において強く働いている。

そして、弁護士法の定めがあり、我々は、その定めに従って活動している(つもりである)。


弁護士法
第1条 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。


第2条 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。

つまるところ、我々弁護士は、弱腰なのではなく、

公平、公正、社会正義実現に直接関与する仕事をしており、

強面になって、強引に力技で相手を丸め込むようなことは、

原理上も実際上も、 できないのである。


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by bengoshi_358 | 2016-10-10 16:56 | 日々雑感
小さな事件を大切に。

少額の簡裁交通民事事件、依頼者側の過失割合を減らすような事情について積極的に主張立証せず、相手方の主張を否認だけして立証に入ろうとする他の事務所の弁護士に驚愕。


少額の弁特事件で報酬安いからサクサク処理したいのか?
ちゃんと事情聴取したのか?


判例タイムズ特集号の図の下にある、増減事由程度はちゃんと調査して主張するでしょ、ふつうは。

過失を構成する具体的事実は主張事実。
ちゃんと主張立証しようとしないとアカンでしょ。
立証が難しくても、主張はして、立証の努力だけはしないとね。


小さな事件で学ばなかったら、大きな事件でも失敗するんじゃないかな。


弁護士全体の信用に関わるのではないかと、私には珍しく、偉そうなことを思ってしまったけれど、しょせん、他人のことだし、敵方ならラッキーなんだし。

まずは、自分。改めて、心しよう。


私が駆け出しの頃、ハイソな事務所の大先輩から言われた言葉。


「小さな事件を大切に。」


「小さなことに忠実な者は、大きなことにも忠実である。」と昔の偉い人も言っていたなぁ。


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by bengoshi_358 | 2016-10-06 19:37 | 日々雑感
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