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愛知県名古屋市中区丸の内 弁護士加藤英男の日々是精進日記(ツィッター:@BengoshiKH)
by bengoshi_358
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弁護士業界における「専門家」
「ご専門は?」と尋ねられて、少し困ることがある。

結論的には、「クライアントの問題解決に一所懸命努力することが専門です。」と答える他ない。


我々は、学者ではなく、現実に起こっている問題を解決することが仕事。
現実に起こっている問題を解決するための知識、情報、能力は、「専門」ではくくれない。
「専門」だけでは、現実の問題を解決できない。


医師の和田秀樹さんが、雑誌のインタビューで書いていたと思うが、医学はすべての学問の集大成で、学問の王だという。
それは、正しいと思う。
私もかつて憧れた世界だ。

ただ、我々も、病気や医療が関わる事件では、医学書を読み漁り、専門医に会ってレクチャーを受けたりする。学問として究める必要はないけれど、クライアントの問題解決に必要な限度で、情報を収集しまくる。

そして、自分なりに理解する。
その上で、自分の理解と、文献情状や鑑定意見書をもって、裁判官を説得にかかる。

このところ、ハラスメント、過重労働などの労働関係事件をいくつも受任したが、そのおかげで、約20冊の医学書、医師向け論文雑誌を読んだ。
専門医の意見も直接お聞きした。

また、廃棄物プラントや、工作機械の債務不履行事件も担当しているが、これらの件では、物理化学が大好きだった少年時代を思い出して、教科書や、専門書を読み、研究者の意見をお聞きした。

かつて憧れた世界、興味がある分野に関わる事件を担当できることは、嬉しいことだ。


弁護士業をやろうと思ったら、すべての学問を参照する、勉強するという覚悟が必要になる。
そうでないと、クライアントが望む問題解決はできない。
クライアントの問題解決のためには、必要に応じて、十分以上の勉強が必要だ。
十分な結果を導き出すためには、裁判官を説得しなければならず、そのためには十分な勉強では不足だ。

だからこそ、ある程度の勉強、研究は当たり前。
さらに進んで、その分野で一定の評価を得た専門書・論文のひとつやふたつ、書いていないと、「実は専門はこれこれで。」とはとても言えない。

少なくとも、私は、とても言えない。
残念だけど、今のところ、私は、ビジネス書に、先輩公認会計士のアシストをした共著の専門実務書を書いてはいるが、弁護士業界で高評価されるような専門書も論文をひとつも書いていないからだ。

ところが、巷間では、いかに「専門家」が多いことか。
専門家は、その分野で一定の評価を得た専門書・論文のひとつやふたつ、書いている人に与えられる称号だという、私の基準からすれば、巷間の「専門家」はいずれも「自称専門家」ということになる。
そして、一般の人には、専門家と「自称専門家」とは、容易に区別できない。
なぜなら、その人が真の専門家か「自称専門家」かを区別するには、その人が所属する業界で傑出した存在と認められているかどうかによるのであって、専門知識がなければそれは分からないからだ。
一般の人、他の業界の人には、その人が「専門家」として宣伝するHPや、マスコミに登場する露出頻度は分かっても、その人の本当の能力とか専門性とかは、残念だけど分からない。
自分で努力して調べてみない限り、分かりっこないと諦めた方がいい。


我々の業界でも、最近、雨後の竹の子のように、「専門家」とか、より控えめに、「○○問題に詳しい弁護士」が登場してきているけれど、実のところは、本物の専門家はそれほど露出されていない。
明らかに経験年数が2〜3年で、「専門家」とか「詳しい」はあり得ない。

弁護士の中で、本物の専門家を探したい場合には、弁護士会館内にある本屋さんで、日弁連研修録を参照されるとよい。
日弁連研修録は、弁護士を教える弁護士講師による講義の記録をまとめて本にしたもの。
地方の弁護士会では、様々な事情や配慮で研修講師が選ばれたりするから、地方の弁護士会の研修録よりは、日弁連研修録があてになる。


離婚、相続、交通事故、借金整理で「専門家」を探す必要はない。

いくらか経験を積んだ弁護士であれば、誰でも扱える事件種だからだ。
最高裁まで争わなければならないような、特殊な争点があれば格別だが、これら事件種で最高裁まで争う事件の割合は、時間稼ぎの場合を除けば極端に少ない。
数パーセントあるかないかだろう。

これら事件種で「専門家」と称するほとんどは、一手に同種事件を引き受けて、定型的に処理したい、法律事務所側の営業上のもの。
クライアントの利益や便宜のためではなく、事務所の利益追求優先の情報活動だろう。

これらの一般的な事件種では、相性とか波長が合うかどうかが大事なように思う。

一般の人が、一般的な事件種で弁護士に事件処理を依頼しようとする場合には、実際に複数の法律事務所を訪ね、自身の目と耳とハートで確かめられるのがよいだろう。


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by bengoshi_358 | 2016-09-22 17:34 | 日々雑感
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