わたしの古武術の師匠が言いました。
「武道(指導している古武術を含む)をやってもケンカに強くはなりません。続けていけば強くはなりますが、ケンカには別の要素が大きいんです。」
「ケンカはね、キレた者の方が強いんですよ。」
確かにそのとおりと思います。
むしろ、わたしはかつて、「ケンカで無敗」、「ケンカで43連勝」という空手仲間がいました。
でも、道場では、師範代に全くかないませんでした。
そして、彼らは空手が強くなるにつれ、ケンカもしなくなっていきました。
「空手をやってもライオンには勝てない。ピストルにも勝てない。武道は心を練るもの、人を創るものだ。」というようなことを、当時の師範から教えられた記憶があります。
総合格闘技の打撃系は、ケンカに近いですが、関節技、寝技競技やそれらを得意とする選手の闘い方はアートな面もあります。
洗練された闘い。
自分との闘いにまず勝つこと。自分の弱さや恐れを克服する。
「道」と名のつくものは、多分みな同じ。
人間形成を目的としているのでしょうね。