ふと、マリー・ローランサン(堀口大學訳)の「鎮静剤」という詩を思い出しました。
わたしは、加川良さんの楽曲でこの詩のことを知りました。
この詩では、「退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。悲しい女より もっと哀れなのは …」と続けていきます。
そして、最も哀れな女は「忘れられた女」であると締めくくります。
加川良さんの歌でも、この締めくくりには、哀しみを込めて1音半伸ばすくらいで静かに息を呑むというエンディングであったように思います。
わたしは今のところ鎮静剤は飲んだことがありませんが、鎮痛剤はたまに飲みます。
イブプロフェンという成分が血栓を防ぐ効果があるらしいと聞いたので、しんどくなったときに意識して成人服用量の半分程度を。
鎮痛剤はよいとして、「鎮静剤」はなかなかぐっとくる詩です。
加川良さんの歌で聴くと、またじわっと来ます。
「鎮静剤」はぐぐるといくらも訳詩、原詩のどちらも出てきます。
加川良さんも検索したら、まだ現役で活動されてました。うれしいなぁ。
加川さんの歌は、高3夏休みのラジオ講座夏合宿で出会った兵庫のお医者のご子息Tさんから「いいよ〜」って勧められて聴いたのでした。
感傷、センチメンタリティは、社会を生きていく上でのバッファであり、「鎮静剤」なんでしょうね。