なぜ、木霊は起こるのか。
(答え)音には、音源の振動が止んだ後も残ろうとする性質があるから。
木霊はどんなとき聞こえるか。
(答え)静かで、ほかの音がしていないとき。
これは、「もう一日」(ミッチ・アルボム、小田島則子・恒志著)にあったお話。
この本の、モチーフになっていることです。
主人公は、生活苦と孤独から逃れるため死を選び自殺を試みます。
瀕死の中で、生活の喧騒と悩みから解き放たれ、無くなった母親の「木霊」を見るのです。
そして、かつて冷たい態度で接してしまった若いころの母親が当時抱えていた重荷を知り、自分の後悔を深めるのですが、耐えきれずに逃げ出そうと思ったきっかけになった重荷と母への仕打ちの後悔の重荷を、母の手助けで下ろします。
主人公は、生き直すことを決意し、述懐します。
〜わたしは(注:多分、自分も含めてだと思う)この先、愛する人たちともう一度きちんとやっていきたいと思う。
読んだわたしも「きちんとやっていく」ことの大切さを深く肝に銘じることにしました。
そして、亡き父や亡き友人達はいなくなってしまったのではないということも。