財産分与とは、夫婦で共同して作った財産を2人で分け合って清算することです。
この場合の、分与の割合は、特別の事情がない限り、2分の1ずつ、です。
これを「2分の1ルール」と言います。
慰謝料とは、離婚の場合には、(1)不貞だとか、暴力だとか、離婚の原因となる行為によって蒙った精神的苦痛に対する金銭的補償としての慰謝料と、(2)本来は離婚などしたくはないのに、相手方の離婚原因を構成するさまざまな行為のせいで、離婚をせざるをえなくなったという精神的苦痛に対する金銭補償としての慰謝料が合わさっています。
(先日、法廷で、この(1)と(2)を区別しないで、〜区別しないのが一般です〜訴状を書いたら、相手方の弁護士から、「(1)と(2)のいずれであるというご主張か?(1)のみか、(2)のみか、あるいは(1)と(2)の両方か?」と訊かれてしまいました。わたしは、「もちろん、両方です。」と答えました)
結婚年数や、子どもの有無、離婚原因の内容や程度によって、場合によっては夫婦の収入も考慮の上、ある程度の慰謝料の相場らしきものもあるように思います。
でも、これは本では書きづらいことです。
その数字が一人歩きをしても困ります。
実際のところは、事件の具体的内容はもちろん、地域性や裁判官のお考えによっても、かなり違ってくるのですね。
実証データに基づく統計である、「司法統計年報」も参考にはなります。
また、「慰謝料算定の実務」(編集 千葉県弁護士会、ぎょうせい)などの文献も参考になります。
しかし、やっぱりフタを開けてみないとわからない、としか言えません。
当事者同士の協議の段階では、「司法統計年報」や文献(平均で200〜300万円程度と書いてあるのが多いように思います)に現れた数字をベースに調整してみてください。
弁護士に相談できるならば、弁護士に全ての事情をお話しになり、いくらくらいが相当かをお聞きになってみてください。
また、裁判所では、裁判官に出しうる証拠を見ていただいて、その上でご意見を伺ってみてください。