「かたぎき」
弁護士になって、しばらくして聴いた言葉です。
【意味】片方の意見だけしか聴いていないこと。
ずっと以前、ある事件の示談交渉の最中にこんなことがありました。
相手方は複数です。
わたしの依頼者の見解及び希望を聴きたくて、集まっていました。
わたしが、依頼者の見解及び希望を相手方らに伝えました。
相手方のうち1人がエキサイトして、「なに、てめぇ何を言っとるんだ!」とわたしに突っかかろうとしました。(わたしは、平静を装いつつ、いつでもバックステップして逃げられる位置と態勢をとっていました)
すると、他の1人が、その人を制止して、言うのです。
「まて! この先生も、今は『かたぎき』で話をしているんだ。立場が違えば、意見も違う。せっかくここまで来てくれているんだ。ひとつ、わしらの話も聴いてもらおうじゃないか。」
わたしは、窮地を脱することができました。