ジャック・ニクラウスのお話を読みました。
「成り上がれ!」だったか、「自分らしくお金持ちになるための70の習慣」だったか、朝日新聞の記事だったか、忘れてしまいました。今は思い出せません。
それは、ジャック・ニクラウスが相手のミスを願うことが決してなかっということ。
その理由は、自分がミスで負けたとしたら、どんなに悔しいか想像できるから。
そして、自分の実力でなしに勝ったとしても、喜びは薄いから。
これを、ご依頼者の事件を預かる弁護士としたら、どうでしょうか。
まず、自分がミスをしては絶対にいけません。気づいたら、すぐ反省し、挽回する。
(駆け出しのころは、相手方に長老のような大先輩がしばしば就いて、いろんな意味で温かい指導をいただけました。気づきも沢山ありました。ひやひやする気づきもありました。)
相手のミスはどうでしょうか。
ご依頼者のことを考えたら、もうけもの。
イージーに勝てるのですから、それはそれでよいかも知れません。(「勝てる」と思ってお受けしている事件が殆どですから。)
でも、ミスがなくても勝てる事件であるならば、できれば、相手や、相手方代理人にミスがあってほしくはないと、やはり思うのです。
ミスをした人は傷つきます。
それに、ミスで負けたと思ってほしくない。
優れた先輩弁護士の言葉で、こんな言葉があります。
「勝つべき事件に勝つ、きちんと勝つ。」
「勝ってはいけない事件で、勝ち過ぎてもいけない。」
わたしは、というと、失敗の多い人間です。
1人では力が足りないので、ダブルチェックをして、また事務員さんたちにもチェックをしてもらいます。
それでも、漏れが出ることはあります。
幸い、今のところ、致命的なミスはしないで済んでいます。
ヒヤリ、ハット、を経験し、学んで行く。これは本当に大事なことですね。
とにかく、ヒューマンエラーを出来る限り減らす。
これは、ビジネスマン全員の永遠の課題でしょうね。
自分は、相手のミスにあぐらをかくつもりはありませんし、また、相手の助けなど絶対に期待しません。(裁判所は、助け舟を出すが、確実に信用できる親しい弁護士以外の相手方は泥舟を出す可能性が高い、と心しています。)
ヒューマンエラーを極限にまでなくす。
そして、勝つべき事件で、きちんと勝つ。
負ける事件では、正しい方法で、負けを広げない。最小限に食い止める。
ミスを誘い合うのではなく、きちんと真実にのっとって、攻撃防御を尽くして、裁判所に事実を見極めていただき、判決なり、和解をいただく。
いつも、心していたいですね。