「ウェブ進化論 〜本当の大変化はこれから始まる」(梅田望夫著、ちくま文庫)
今朝はこの本を読みました。
おもしろいし、やはり新書なので時間はかかりません。
ハイコンセプト、フラット化する世界、グーグル、そしてこの本。
書いてあることはほぼ似通っています。が、切り口は多少違います。
「Google既存のビジネスを破壊する」(佐々木俊尚著、文春新書)も良かったけど、これも良いです。
梅田望夫さんは、わたしと同年齢。
10年前からシリコンバレーでご活躍で㈱はてな取締役。
文章は明快、そしていわゆるストロングワード(一義的に明快な言葉、欧米ではラテン語語源の単語を指したりします〜わたしの友人であったアメリカ人が教えてくれました)ならぬストロングセンテンスで現象を定義づけます。
たしかに、最近、ネット上の世界を利用することによって、これまで市場算入できなかった小市民がどんどんモノを言うことができ、収入を上げることも可能になりました。
梅田さんが掲げる、「ネット世界の3大法則」の1つに、簡単に言えば『限りなく無限大に近い人数・物量に対し限りなく無限小に近いサービス・利益を掛け合わせることによって新たな巨大の価値ないし富が生み出される』というものがあります。
梅田さんが述べていますが、IT革命により、自宅に居ながら「1億人の人から1円をもらい、1億円を労せずして獲得するビジネス」も不可能ではなくなりました。
本書では、グーグルの組織としての特色についても述べられています。
まさに世界をフラットに、途上国の国民にもビジネスチャンスをもたらすことをミッションステイトメントのようなものに書いていること、同時に内部では学位を取得した優秀な人材だけに門戸を開き、一般株主の経営参加を阻む組織作りをしていることを始めて知りました。(現在のところ、結果が良いのですから株主はおろか、外野陣がどうこういう問題ではないですね)
また、梅田さんの、「ヤフーや楽天がメディアであって、グーグルがテクノロジーである。」という言葉もグーグルの特徴を明快に示しています。
これまで読んで来たネット関係の本のおさらいのような内容で、読みやすく、また現象や具体的企業についての定義付が随所に見られて法律文書に慣れた者には大変おもしろくかったです。自宅でコーヒーを飲みながら一気に読んでしまいました。