「人生に何を望むか明確にする」 1-29
「大事なことは、彼らも私やあなたはと同じ人間だということだ。唯一の違いは、彼らは自分の人生に何を望むかをはっきりと知り、それに向かって行動していることだ」(ジム・ドノヴァン)
世の中を眺めてみれば、うまく行っている人、いない人がいる。
後者は、新聞を見たり、テレビを点ければいくらでもある程度の事情はわかる。
事件を起こし、事故を起こす人は、考え方が身勝手であったり、不注意であったり。
『はっきりした気持ち』を向ける方向が間違っているか、『はっきりした気持ち』を持っていなかったためにしばしば残念な結果を引き寄せるもだ。
ごく普通の人たち、ましてや今、こういうお話に耳を傾けてくれるような人として注意しなければならないのは、『はっきりした気持ち』を常に持っていること、だろう。
何かをするとき、『今、自分が何をするか』ということを意識する。
『私は、今から◯します』『僕は◯になるために、今から◯します』と口にしてみる。
これは普段からやってみる。
仏教ではヴィパッサナー瞑想と呼ばれる修行の一種でもあるけれど、これは意識を明確に、鋭敏にする。
そうすることで、不注意な動きが少なくなり、だらだらと無駄な時間を過ごすことはなくなる。
うっかりミスや、こんなはずじゃなかったということが少なくなる。
結局、どれだけの思いをそれに振り向けているか。
そのためには、『言葉』に注意する。
『初めに言葉があった。言葉は人ともにいた。言葉は神であった』というくらい、言葉には力がある。決して軽んじることなかれ。
あなたの口から酷い言葉が出たら、口に手を当てよ。
愚痴、悪口、泣き言、呪い言葉、雑言から離れよう。耳にしたら、積極的な点を見つけ、解釈を変えよう。
あなたの全ての行動が『◯に、俺はなる!』という目的との関連づけられるようにしてみよう。
『◯になるような人が、することだろうか?』という疑問(質問)を投げかけてみるだけでも効果はある。
ヴィパッサナーと合わせて、今から習慣にしてみて欲しい。
あなたは、どうしたいのか。どうなりたいのか。
自分を偽らずに考えてみよう。
答えるものがあるのなら、是非試してみて欲しい。
『◯に、俺はなる!』
※ヴィパッサナー
『これから、起きます。電気をつけます。洗面所に行きます。蛇口をひねります。水を出します。水をコップにいれます。口に含み濯ぎます。…珈琲を入れます。蛇口を捻ります。薬缶に水をいれます。コンロに載せます。火をつけます。…』と日常行動を口に出す(誰かいる場合は心の中でも可)。
私が好きなアルボムッレ・スナマサーラ師の本では、歩く場合の例を挙げておられたが、『右足を上げます。降ろします。左足を上げます…』とやっているうちに、車にはねられそうになったので、できれば室内や、安全な場所で行って欲しい。注意が今ここの一点に集中しやすい〜それだけ注意を集中する訓練になっている〜ので、危険察知が遅れてしまうからだ。