「ゴールは必ず達成できると信じる」 1-34
「数年前、私と妻は家を探していたが、なかなかみつからなかった。理由の一つは、その時私達が住んでいた家が『ほとんど売れない』ものだったことだ」
信念とは、まだ見ていないものを信じることだ。
人は信念により立つ。
しかし、信念を持ち続けるのは難しい。
自分自身の心理的な恒常性維持機能は楽な方に人を導く。『無理しなくたっていいじゃないか。今のままで死にゃあしない』
ドリームキラーも囁く。『まぁ、無理すんなって。お前なんかにできっこないし』
まだ見ていないものはなかなか信じにくい。
小さな失敗に気持ちは挫ける。
『だから言ったじゃないか。やめとけって』
自分の弱気と周囲の弱気が声を上げる。
それでいいのか?
昔、私が好きだったハウンドドッグという日本のロックバンドは歌っていた。
『何かを/変えてみたくて/生まれたんじゃないか/俺たち』
人は可能性を持って生まれてくる。
それを成し遂げるかどうかは自分の心ひとつ。
『できないと思うのも、できると思うのもどちらも正しい』と言った人がいる。自動車王のヘンリー・フォードだっただろうか。
心に生まれた希望の炎を消さないで。
まだ見ていないものを心の目で見続けよう。
できない自分、見たくない現実は確かに存在する。
そこに居ついてはいけない。
全ては、過去の延長線上の必然、必要なものであり、そこにある。
そこから学ぶ必要があるからそこにある。
そのままだと、そのままの延長線上に進むだけ。
延長線が僅かにでも下向きであるなら、必然的に下降する。
下降していくラインから、上昇ラインに乗り換えるには、まだ目に見えないものを心の目で見続けること。
ゴールを瞼の裏に焼き付けて達成イメージを心から味わおう。何度は何度もそうしよう。朝目覚めた時、夜眠る前、無条件暗示同化習性という状態にあるらしい。起き抜けと就寝直後の布団の中でイメージしよう。
それから日中は、やはりルフィに倣おう。
思いつくたびに、『○に、俺はなる!』とつぶやき続けよう。
周囲のドリームキラーに負けない。
自分の弱気の虫に負けない秘訣。
「そして、言った。『僕がいつも話している方法でやってみよう。今の家を売ることばかり考えるのはやめて、欲しい家の方に気持ちを集中させよう』」
ジム・ドノヴァンと奥さんは、今の家を売らなければ新しい家を手に入れられないと、過去の延長線上で将来を考えていた。
こうして、こうする。
そう、自分の計算で考えていた。
もし、その計算が間違っていたらどうする?
公式を間違って覚えていたら?
時代が変わって、成功の方程式も変わっていたら?
今の自分の認識、今の世間の共通認識を基準に計算でできることは、放って置いてもできること。実は本当の意味での進歩ではない。
ただ起きて、食べて、寝て、歳をとることでよいか。
今、世界は閉塞状況にある。過去のセオリーが通用しない。
世間が求めているのは、革新的なアイデアであり、予想を良い方向に大きく裏切るものだ。
だから、ゴールから考えてみよう。
自身の求める夢、目標から。
過去の歴史上、革新的な出来事に関わった人、発明家はそうやっていた。まだ目にしていないものを心の目で見て、必ず実現できると信じて努力を続けた人たちだ。
「誰でもできるけれど、わずかな人しか実行していない」ことだ。
今日からあなたもわずかな人になろう。
さて、ジム・ドノヴァンと奥さんはどうなっただろう。
自分たちで決めたゴールの日の1日前に新居を手に入れたという。
ゴールまでの道のりは予想しないほうがいいのかも知れない。
その予想の根拠は過去の延長線上の考え方、クセがついているからだ。
オープンマインドで、無邪気にゴールだけを心の目で見て行こう。
途中の過程は、予想外の展開を受け入れ、常にゴールから目を離さないで行こう。
『○に、俺はなる!』