本日は、朝から午後5時まで集中証拠調べでした。
証人、本人の尋問をまとめて行うものです。
昔は、1日に1人ずつ、とか、1人の主尋問だけで反対尋問は次回期日に、とかいうこともありましたが、今や集中証拠調べが当り前です。
準備も大変です(が今回は共同代理人が孤軍奮闘してくださいました)。
また、ずっと座っているのも大変。
裁判官によっては休憩時間を入れてくれないので、トイレに困ることもあります(イソ弁が膀胱炎になったら労災申請するのでしょうね)。
心理学の本を読んでから、尋問はパフォーマンスだなぁ、という感をますます強めました。
陳述書は、他方の当事者からすると、「よくも、まぁこんな嘘が書けたものだ。」と言いたくなるばかり。法廷でも、「いけしゃあしゃあと言ってくれるなぁ。」「外ではせせら笑っていたくせに、なんで泣けるの?」なんていうことを依頼人から聴いたりします。
人は、嘘をつきます。
人は、嘘だと思わないで、思い違いができます。
迫真の尋問結果も、ドラマとして演じられている場合があります。
真実を見る目を養うことは大事ですが、なかなか難しい。
神様の領域…。
結局、判断者においては、どちらに軍配が上がるかを決めるファクターを多く持っているか、それらを探せるかどうか。
係争者においては、それらを提示できるかどうか。
実際に、わたしが担当した知財事件(著作権訴訟)で、裁判官がおっしゃいました。
「裁判もゲームだからね。勝つこともあれば、負けることもあるさ。」
仰天の新証拠で、勝敗が逆転してしまい、落胆したわたしの依頼人におっしゃったのですね。わたしは、内心、「えっ!」と驚きましたが、そのくらいに考えておいた方がよいのかも知れません。
…そうは言っても、やはり人生が変わってしまいかねないということって、ありますからね。
わたしたち弁護士は、ひたすらにゲームで勝つためのスキルをアップさせていくだけです。