坂口安吾である。
最近、初めて読んだ。
丁度一回り近く年長の仏教原理主義者の方とご縁を頂いて、その博識から多くの知的刺激を受けている。
改めて、「人は人によって磨かれる」と知る。
本も、CDも、講演も、映画も、まずは先達となる人。
印象に残る人から、全てが始まる。
坂口安吾は、この仏教原理主義者の方から教えるられた。
その方が中学次代に安吾の堕落論を読んで、刮目されたという。
そして、安吾を絶賛為れることなく、中学生で斜に構えたご自身を自嘲された。
むしろ、力を込めて絶賛されたのは、iPad。
いつも安吾とともにいられる技術の素晴らしさ。
それでも、私は、安吾にビビッときた。
まだ、安吾を理解した訳ではないが、反語による人間肯定、自然尊重という熱い思いをかんじた。
聖人君子、偉人や仙人、立派な人物と呼ばれずとも、
よいではないか。人間だもの。
弱さも、醜さも、汚さもあっても仕方ない。
ありのままの自分自身をまず受け入れ、認め、大事にしようや。
そんな温かさや、大らかさが感じられる。
勿論、心のベクトルは上向き。
堕落しつつ、心は常に高い方に向いている。
負けてるわけでない。
解釈がおかしいのかも知れないが、私には爽やかな読後感の堕落論だった。